20:魔斗決闘

―――――



 出ガンギマリ顔!

 んで、ステ確認きゃくにん


レベル:12

クラス:魔王(Lv12:魔王フェザー級チャンピオン)

体力:15 戦闘力:15 統率力:15

知力:1,418 政治力:15 魔力:1,717,673,876

魅力:1,121,331 幸運:446 精力:∞

ボーナスポイント:+265


 よし。

 案のじょう、レベルアップしとるわ。

 よっしゃ、ボーナスP振り分けるわ!


 まったく、あの教師……

 入学早々、今日の今日で、ダースなんちゃらとか云う決闘みてーな申し出を、サラッと許可してんじゃねーよ!

 おかげでこっちは、用を足すわけでもねーのに二度目のトイレ。

 なんで人目はばかってステ確認とボーナス割り振りなんかしなきゃいけねーんだよ、ったく。


 確かイジメっこアイツの戦闘力は「38」だったはず。

 故に、こう割り振った。


<体力:115 戦闘力:180>


 ワハハ!

 よゆーであ~る!

 余裕であのイジメっこをぬっころであーーる♪

 勝ったな、ワハハ!




 ダースなんとかの指定場所、校舎裏庭。

 俺の立ち会いは、吸血ニンジャこと怒子神ぬこがみ禰蠱子ねここ……にしたかったんだが、どーいうわけかミカエレ・“ソード”・カエサリオ。

 なんでやッ!

 この出しゃばり女、立候補しやがった!

 怒子神はと云うと……

 俺の代わりに闘うと云って立会人に手を上げなかった。どうやら<庇護アサイラム>の効果が変な方向で働いてしまっているっぽ。


 代理人が闘うケースもあるらしいが、当人が闘える状況にない場合に限られるとのこと。

 今回、俺はぽんぽんおなかが痛いと言い張って、怒子神の誠意にこたえようと努力したんだが、受け入れられなかった。

 審判は教師や塾生会役員、上位者ほか、塾から特別な許可を得た者だけが行えるという。

 今回の審判ジャッジは承認をした女教師自ら。


 立会人はセコンド的な役回り。

 闘いかたにおける助言は許されるが、闘いそのものへの補助や支援は、魔術や物理の如何いかんを問わず、一切禁止されている。

 唯一、立会人が直接的に闘いに関与できるのは、敗北の意志決定。決闘者デュエラー自身が負けを認めるなどの意志表示ができない場合、代わりに敗北を宣言することで闘いを終わらせることができる。


 そもそも、この魔斗決闘ダースデュエルは塾法裁判では取り扱われない個別の紛争解決の手段。ようは、決闘法。

 私闘を禁じるために用意されてはいるが血生臭さは変わらない。

 基本、この塾では、この世界そのものが差別を肯定している。純然とした差別が存在しているが故に、個々人の不満や鬱積うっせき刃傷沙汰にんじょうざたに及ぶ。

 この無秩序を総括し、コントロールする目的で用意された公式な決闘、それが魔斗決闘。

 時には、複数人同士の闘いや、それ以上の規模での闘いもある、と云う。


 本来、不満を持っている者から願い出るものだ。

 イジメっこであるコイツから仕掛けてくる理由は明白。

 誇示したいんだ、己の力を、存在を。


 その根性、その発想、その価値観――

 こいつは、

 ――メチャゆるさんよなああああ!


「それでは魔斗決闘ダースデュエルを始めます!

 ローリー・ペドリャフカ、アーサー・ペンドルトン、両者前へ」


 な、なにィ!

 あ、あいつ――

 ――アーサー・ペンドルトンって名前だったのか!


 かっこいい名前だな、くそッ!!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

激きゃわ男の娘魔王に転生して学園生活したら幼女への尊みがMAX過ぎて召喚がはかどる、おまえらワイをすこれ! 武論斗 @marianoel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ