第26話「特別称号とスキル」
特別称号「タイムアタッカー」とスキル「プレコ」をもらえるはずだが、この世界だとアナウンスないんだよな。
原作ゲームに準拠した世界だけど、システムがすべて同じってわけじゃなさそうだ。
そこでジーナに手招きをして、自分のステータスを計測する。
「ラスター、レベル5、メイジ、タイムアタッカー」
うん、名前とレベル、職業、称号が出たな。
これの画面に指で触れることでスキルが見られるわけだが、ちゃんとプレコが表示された。
タイムアタッカーの効果は素早さが1.2倍、さらに経験値効率が1.1倍でスキルと重複可能なはず。
「よし、称号を手に入れたぞ」
「おめでとうございます、あるじ様」
ジーナが喜び拍手してくれたが、99%この子のおかげだよな。
言っても謙遜して否定するだろうから言わないでおくが。
タイムアタッカーとプレコがあればレベルあげがかなり捗るだろう。
「少し休んでからもう一回コボルトを狩ってみようか」
同じダンジョンを何度踏破しても意味はないから、あとは経験値を稼ぐだけだ。
ゴブリンとコボルトならコボルトだろう……踏破した感じだと、ゴブリンを相手にするよりはリスクも低そうだし。
「御意」
ジーナはうなずいて賛成する。
彼女はろくに疲れてなさそうで頼もしいかぎりだ。
「今日は無理だけど、明日からは他のダンジョンに行ってみよう」
「御意」
プランを彼女に話しておく。
「レベル5から入れるダンジョンで、自宅から近いところはたしかヌルヌル回廊だったな」
一応人が通る場所なので、実家が宮殿だとは言わないでおこう。
「はい。あそこは水属性のモンスターが多く、雷属性は有利かと」
ジーナは答えてからだから雷をとったのか、とでも言いたそうなまでこっちを見る。
そう考えていたところだ。
レベル10になって覚えられる範囲雷魔法「ブリッツ」が、かなり使い勝手がいいという理由もある。
効率的なレベル上げを考えるならブリッツは使えるようになっておきたい。
休みを終えてコボルト狩りに戻り、俺はポーションを飲む。
第四階層までのコボルトの出現数という懸念事項も消えたし、このダンジョンで出し惜しみするのは終わりだ。
「ジーナはレベル20になったら職業チェンジだな」
と話しかけると彼女は恐縮した顔になる。
「職業をかえるためにはジョブクリスタルが必要になってしまうのですが」
その通りだが、気にする必要はないと安心させよう。
「お前の忠義に報いるための褒美だと考えればいい。お前は俺の褒美が受け取れないのか?」
「失礼しました。謹んで頂戴いたします」
ジーナはあわてて謝り納得する。
こういう言い方が一番有効な性格なんだよな、やっぱり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます