第19話「ゴブリンウォリアー」
休みが終わるとゴブリン狩りだ。
まずは毎度おなじみのゴブリンレンジャーをスリップで転ばせ、ジーナが仕留める。
「このまま待ちますか?」
ジーナは逐一確認してくるが、今の俺なら待たずに先を進むことを選ぶことが可能だからだろう。
「ああ」
まだリスクのほうが大きいだろうから、やっぱりここで待つ。
さすがに今はやらないけど、落ち着いたら魔力が回復するタイミングの検証もしたほうがいいかなと少し思った。
ショイサの洞窟を踏破するまでに一回やっておこう。
ゴブリンレンジャーが二匹出て来たので、二人で手分けをする。
「サンダー」
ゴブリンはと言うとサンダー一発で撃破できるようだ。
やはりコボルトのほうが強い。
二匹が落としたのはゴブリンキャップだった。
これは俺たちが持っていても効果がないので売却コースだな。
少し待つとただのゴブリンが一匹で現れたので、再びスリップを使ってこけた瞬間ジーナがとどめを刺す。
「あるじ様、ゴブリンソードが出ました」
「売却だ」
「はっ」
ゴブリンソードもやっぱり俺たちには必要ない。
スリップ2回とサンダー1回使ったから、俺の残りの魔力は2でスリップ1回分か。
ポーションをがぶ飲みしながらアタックするためには、レベル5になってからのほうがよさそうだ。
少し待っているとゴブリンとゴブリンレンジャー、槍を持ったゴブリンウォリアーが姿を見せる。
ゴブリンウォリアーは群れの上位者でボスの側近が多いって設定のはずだから、そろそろやばいか。
「こいつらを倒したら離脱するぞ。ジーナはまずゴブリンウォリアーを狙え」
一番強い奴を真っ先に処理してもらおうと指示を出す。
「はい」
ジーナは直後跳躍し、ゴブリンウォリアーに立ち向かう。
「スリップ」
俺はゴブリンとゴブリンレンジャーの前に魔法を仕かける。
ゴブリンは俺に、ゴブリンレンジャーはジーナを狙って弓をかまえた。
そしてゴブリンウォリアーが彼女に一撃で倒されたのを見て、ぎょっとして硬直している。
その隙を見逃さずジーナはゴブリンレンジャーに襲いかかり、首をかき切ってしまう。
速い、そして強い。
そしてジーナは息をつかず、スリップに引っかかって転んだゴブリンに短刀を突き刺して仕留めてしまう。
この子が一緒なら第二階層に行っても安全なんじゃないかと、錯覚してしまいそうな強さだった。
単にゴブリンの物量を前に俺を守り切れないリスクがあるわけで、つまり俺自身の問題なんだよな。
ジーナ一人なら回復アイテムさえ充分あれば単独で突破できるだろう。
敵の中にゴブリンウォリアーがいたおかげで、俺のレベルが4になった。
もうひと息だ。
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