第17話「コボルト狩りに挑戦」

 次の日、またショイサの洞窟に行って今度は最初からコボルトに挑戦しよう。

 倒してもらえる経験値だとコボルトのほうがおいしいからだ。


「俺の魔力だとサンダーは3回、スリップなら4回が限界かな」


 入ったところで俺はジーナに言う。


 俺の魔力は9で、サンダーは消費魔力3、スリップは2だと考えればいい。

 コボルトはスリップが有効な相手だから、スリップを使いたいところだ。


「かしこまりました」


 そう言えばジーナも考慮した立ち回りをやってくれるだろう。

 最初に出たのはショートソードを持ったただのコボルトだった。


「スリップ」


 スリップはたしか呪文がかっこよくないので唱えなくていいや。


 コボルトがすべって転んだところをジーナが瞬殺する、すっかりおなじみになった光景が広がる。


 戻ってきたジーナが報告した。


「あるじ様、レベルが16になりました」


「そうか、やったな」


 最大戦力が強くなるのは俺にとってもありがたい。

 彼女が強くなればいけるダンジョンが増えるというものだ。


「ありがとうございます。これからもお役に立ってみせます」


 ジーナは意気込んだのでうなずきを返しておく。


「先に進まず、ここで待っていよう」


「御意」


 ここで待ち伏せしていればコボルトは新手がやってくるだろう。

 一日で警戒がリセットされているのもゴブリンと同様だ。

 

 今日現れたのはコボルトアーチャーが二匹だった。


「一匹ずついこう」


「はい」


 俺の指示にジーナがうなずく。


 サンダーを覚えたので昨日とは違い、コボルト一匹くらいなら受け持つことが可能になった。


「サンダー」


 サンダーの魔法は遠い距離まで飛んでいくし、雷だからスピードもある。


 こっちを見て弓をかまえようとしていた、左側のコボルトアーチャーに命中した。


「ぎぎぎ」


 苦しそうにうめいている。

 残念ながら一発でしとめられなかったようだ。


「サンダー」


 そこでもう一発お見舞いし、今度こそコボルトアーチャーを仕留めることができた。


 その間にジーナはもう一匹のコボルトアーチャーを瞬殺していて、ドロップしたアイテムを回収している。


 そして俺が倒した個体が落としたアイテムも拾って持ってきた。


「コボルトの弓が二本落ちたようです」


「売却だな」


 報告してきたジーナに俺はそう告げる。 

 大した額にしかならないけど、チリが積もれば山となることを期待しよう。


「御意」


 ジーナはうなずいてから聞いてきた。


「スリップ1回、サンダー2回お使いになったので、お休みになりますか?」


「そうする」

 

 と返事する。

 コボルトの警戒はここから跳ね上がるからだ。


「一度ダンジョンの外に出てポーションを飲んで、それからゴブリンを狩ろう」


「はい」


 とジーナは返事する。

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