印象的なのは、冒頭での印象的な色彩の表現。白黒と黒という対称的な色彩がぱっと目に浮かぶおかげで、一気に作品に引き込まれます。途中読んでいて胸が痛くなるような場面もありましたが、登場人物の心情がありありと描かれていてとても魅力的な作品でした。
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始まりは、鮮烈な印象を与える。白と黒。真逆な色が示すのは、断罪?それとも......。各エピソードで語られる何処か懐かしく、切ないストーリー。読みどころ満載のこの作品を私はオススメします!
2mもの刃のハサミで切り取るなんて物騒な、と最初は思っていました。けれど、結末はどれもキリトった結果無事解決方向に終わるものばかりで、決して残酷とは言い難い終わり方のものが多かったです。現実に近いけれど、きっと現実では起こらないであろうことばかり書かれているのに、ふと「もしかしたら明日こうなるかもしれない」と思ってしまうような作品で、SF過ぎず現実に寄せすぎず、とても素晴らしい作品だと思いました。