第11話 アンカラ城址とトルコ絨毯
モスクを出た後はアンカラ城址へ。
ナッツ類を商う
安全柵もない防壁の上を、度胸試しに歩く青年。下を見下ろせば、墜ちて死ぬには十分な高さ。確実に命を落とす為には何処を目がけて落ちればいいか、などとつい考えてしまうのは職業病か。
頭を振って城の頂上を見上げると、トルコの赤い国旗が風にはためいていた。
城址から下りて、再び民藝品の店一帯へ向かう。
何れもこじんまりした店構えだが、そのなかでは比較的大きい絨毯屋に入ってみた。店の
丸めて床に
トルコの手織り絨毯は知名度ではペルシャ絨毯に
幾つかに心惹かれたが、残念
運ばれてきた琥珀色のチャイを飲みながら商談。イスタンブルやカッパドキア辺りなら英語か、下手すれば日本語で交渉できるのだが、アンカラでは当然トルコ語。
彼らは生まれついての商売人なのか、何でも交渉せずにはいられない。商談の最中喉を潤すチャイは必須だ。
結局、言い値の七割程度でキリムを一枚購入。あまり値が下がらなかったのは店主の最初の言い値が正直だったのか、それとも私が交渉下手なのか。何れにせよイスタンブル価格よりは随分
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