第2話 船出

 カモメが鳴く音は聞こえない。波が揺れあう音も聞こえない。

 ここは大きなトラックの中。周りは暗い闇に包まれている。

 少し不安だ。

 

「ブルルル。。。。」

 少し揺れた。今から俺はご主人様のもとへ送られる。どんな顔をしているんだろう。どんな声をしているんだろう。何人で暮らしているんだろう。一人暮らしかな。

 周りの静けさが一層不安を掻き立てる。みんな眠ってしまったようだ。それとも、みんな緊張して口を開かないだけだろうか。


トラックは止まったり走り出したりする。


ん?


外から話し声が聞こえてきた。先生と同じような言葉を話している。


ついにご主人様のもとにたどり着いたようだ。


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世界で最も偉大な物語 レナード @tenten1031

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