第04話 犯すぞこのアマ!
ドンドンスピードを上げて行ったのにズンズン追いかけてきて、
とかなんとか考えているうちになに勝手に決めてるんだ? ああ? ペアフラットシートってバカなの? 正気なの? せっかく完全個室のお店に来たのに意味ないじゃないか。バカだよほんと。勉強は俺よりできるのに俺よりバカだよぉぉ! なにしてんだよぉぉ!
結局勝手に決められてしまって一緒の部屋でともに過ごすことになってしまった。不本意だがそうするしかなかった。あそこで「いや、俺は別の部屋で」なんて言い出したら、店員が混乱するし、急に不仲になったカップルのように思われてしまう。カップル? いや、カップルじゃあないけれど、はたから見たらそんなようなものに見えなくもない。
せっかく来たのでとりあえず元を取らなくては。コーラとソフトクリーム持って行こう。
——ガチャッ。
部屋に入ると先に入っていた陽妃が笑顔で出迎えてくれた。
「わあ! なんで私が欲しいものがわかったの? 凄いね!
「え? あ、ああ」
彼女は俺の手からコーラとソフトクリームを取ると机に置いた。
俺のなんだけど。まあいい。コーラもソフトクリームも飲み放題の食べ放題だ。
同じ要領でコーラとソフトクリームを持って帰ると、陽妃が空になった器とコップを渡してきた。にこにこしている。
「ありがとう!」
「あ、ああ」
——ガチャッ。
「そんなに食べられないよぉ」
犯すぞこのアマ!
ハッとなる。
口に出ていなかっただろうか? 周りを見回し、改めて陽妃を見るが、キョトン顔である。ああ良かった。もう下の口は限界なのだ。上の口から汚い言葉が出てもおかしくはなかった。陽妃が言うように俺は自分のオナニーライフを口外できるくらいにオープンスケベではあるものの、犯罪者寄りのオープンでもおっさん寄りのオープンでもないのだ。あくまでも健全な男子の
「お、怒ってる?」
言葉には出ていなかったものの、怒気は伝わっていたみたいだ。陽妃には悪いことをしてしまった。その前に自分でドリンクを取りに行ってくれていればこんなことにはなっていないわけだけれども。
お互いに自分のドリンクは自分で持ってくることにして、彼女が部屋を出て行った。
さてこの間にエロサイトでも、と思ったが、やつが帰って来るまでの間の数分間でことを済ますことは無理だ。諦めて動画配信サイトでも見よう。
しかし悶々としてしまうなあ。だいたいからして、昨日スフィアがやらせてくれていればまったく問題無かったのに。でもなあ。男性恐怖症と言われてしまえば、こちらとしてもあきらめざるを得ないわけで。
もしもスフィアがうちで初めての不良品じゃあ無かったら受け入れられなくて無理矢理していたかも知れないな。プラウとレッカの前例がなければ。
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