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流離の老人の旅が 終わった
果たして 我を忘れた老人の人生に
なんの意味もなかったのであろうか
老紳士は 永遠の友を見送った
老人を 慰撫するかのように
安らかな眠りに 誘うように
青年が確かにいたといことも
老人が生きたという証も
小さな村は 忘れないであろう
灰色の瞳の中に 何時か見た風景として
その肌に 感覚として
耳に 余韻として
年を重ねた少女は 眠るのだろう
燃えるような密かな思いを
そっと 胸に抱いて
そして 人々は 感じるだろう
それぞれが持ち合わせた哀しみを
美しい旋律の中に
『僕は 釈然としないんだ
不当は 人々の肉で 正すものなのだろうか?
理不尽は 人々の血で 購うものなのだろうか?』
あとかたの旋律 苔田 カエル @keronosuke3
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