第15話 君を目覚めさせる旅が始まる
今俺は与論島にいた。園長に連れて行かれたからだ。ダンボールに必死に詰めた俺の家具や漫画を開封せずに放置し、畳でずっと寝転がっている。冥が意識不明になって一週間が経った今世間ではやはり俺の事がニュースになっていた。また人を殺したと。反論ができないのは本当だった。テレビやネットでは俺の居場所を必死に探している。わかるわけもないのに。俺はずっと外に出てない。体も動かしていない。冥がいた時は死ぬほど動いてたのに。また冥を思い出してしまう。そのたびに涙が出てきそうになる。その時はナイフで自分の目を刺す。何回も何回も冥が頭に浮かばなくなるまで刺し続ける。痛みは感じなくなっていた。家の中が血だらけになっている。汚いし臭い。死にたい。でも、この命は冥が救ってくれた。冥を裏切る事はしたくないと思ってしまう。こうやって一日が過ぎていく。何かしないといけないのは知っている。悪魔を殺して殺して殺して、平和な世界にしなくてはいけないんだ。なのに俺は、、、
ピンポーン
チャイムの音がしたが無視をした。テレビの報道陣とかなら面倒だからだ。そうすると勝手に玄関が開けられる音がした。こんな血だらけの家見せたら誰がみても引くと思い、隠れることにした。引かれても誰の仕業かわからなかったら俺はムジだと思い隠れる。誰がきたかと思い覗くとそこには園長がいた。
なんだ園長かと思い隠れるのをやめた。
何しにきたかを聞くと一つの手紙を渡してきた。
「これは俺が園長室に戻った時に机に置いてあった手紙だ。渡すか迷ったが読め。多分お前宛だろう」
「いやです」
俺は即答した。冥の事を忘れたい。覚えていると死にたくなる。冥が望んだのは俺が生きる事だ。
「逃げるな」
「お前はそうやって逃げ続けてこんな結果になったんだ。少しは向け会え」
そう言われて胸に手紙を押さえつけられた。
「じゃあな」
そう言って園長は帰っていった。逃げてるわけじゃないと言いたくなった。俺は何も悪くない。そう言いたかった。でも事実をひっくり返す事実はなかった。あるならばそれは傲慢だ。俺は逃げてきたんだ。そして冥が書いた手紙を開いた。俺が空港に向かってる時に書いたと思うから字が適当になっていた。なんでそんなに急いで書いたのかは知らんが書きたい思ったら書く!!って言う性格だからなあいつは。自然と笑顔が出てくる。あいつは俺を毎日笑顔にしてくれた。
『君が無言で与論島に行く事はまだ許してないからね。私たちは友達なのになんでそんなこともできないの?ほうれん草もできないの?これだからおばかさんは。それで君が多分病んでると感じたのでここで一言!!!!君は自分を責め過ぎ。後幸せを簡単に離さないで。私が君を遠ざけた時君は何もかも自分のせいにしたと思う。あれは全て私の責任なのに。そして私を手放した。幸せじゃなかったかもしれない(それならピエン)けど多分私たち二人とも幸せだったはずだよ。なのになんで手放したの、、悲しかったよ。ごめんね女の子は面倒臭い生き物なんだ。わかるでしょ?私といたら。女の子は面倒臭いって。だからさ与論島に私もいく。悪魔を殺して親の仇を取りたいと思っていたけど、君と二人でいたい。
君が好きだから。
言っちゃた。てか書いちゃったか、、、
私は告白されたい主義だったのになんで告白しないかなーー。好きじゃないの?私は好きだよ。好き好き好き好き好き。今この文を書いてるだけでも胸が熱くなってはち切れそうだよ。少し君と会えないだけで胸がモヤモヤして涙が出てくる。君の全てが好きになったんだよ。その目にも。君が写し出すいろいろな世界。それが見えてる気がしたんだ。そのせいで私の照れてる顔が自分に見えちゃうけどね!!君はこの目が全てを不幸にするって言っていたけど私はその不幸も受け止める。不幸の先にあるのも不幸かもしれない。それでも幸せがあると信じることができるかできないかで人生は変わるんだよ。だからさ。私にその不幸がきて不幸になっても、幸せになろうとしてほしい。自分のために。君は全て打ち明けてくれたけど私はまだ打ち明けてないこともあった。バレンタインデーにあげたチョコとクッキー。あーんじゃなくて口移しして欲しかった。キモいと思われてもいい。だってこれが私なんだもん。他にもしょうもない事を打ち明けあって一緒にいたいんだよ。だから私の前でいなくたならないでね。私のそばにいて。一言だけ言いたいと言いながら色んなことで君に文句を言ったね。そんな君が大好きです。与論島に行くからそれまでには付き合うか決めておいてね。
ps.やっぱり一人称は俺から僕にして。そこだけはなおしてほしいなーー』
そこで手紙は終わっていた。あたかも馬鹿が書いたような手紙だった。なのに涙が止まらなかった。冥は俺の目をたった一人だけ好きでいてくれた。そんな人がいなくなってどうしようかと思っていたが冥は生きている。今からどうするかはもう決まっていた。幸せは逃がさない。君を目覚めさせる。
僕は今悪魔の王の前に立っている。こいつを殺して核を奪い彼女に埋め込めば体が治るらしい。全ての悪魔についているが核を奪っても壊れてしまう。この核を奪っても壊れないのは悪魔でも最強の魔王しかいない。核は悪魔を再生させるために使うもの。これに悪を流し込み体が治るらしい。僕の同期に悪使うことの出来る奴がいる。そいつが悪を流せば冥の体は治る。僕の旅はこれで終わらせる。
僕は魔王に拳を向けた。
最悪の時代の物語はつづく。
君は僕を愛した。僕は君を愛し殺した。 名無しのポチ @taku62560
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