第11話自分の成長の仕方に戸惑う4

(あー、やっぱりみんな来ちゃったんだねぇ〜)


ルファにサーゼ君を任せて城に戻ってきたら案の定一発触発の状態。

人間の認識でいけばエール国王室とミール国王室との睨み合いの最中。


「ここはお前らがくるとこじゃねぇよ」

「それはこっちのセリフですけどね?」


サーゼ君目元はアモン似だったのか、どことなくサーゼ君に似てるのはやっぱり親子だからなんだろう。男らしく野性味溢れる美丈夫なアモンだからあの、どちらかといえばかわいらしいサーゼ君とは似てないと思っていたけど、やっぱり血筋とはそういうものなのか。


「いい加減諦めて帰ったらどうかな?」

「お前らこそいい加減天に帰れや」


ニコニコとザ王子のという笑顔を貼り付けながらも身に溢れる苛立ちを全面に押し出すラールに思わず吹き出しそうになる。


(ルファが知ったら暴れそうだなぁ)


間一髪で抜け出せたおかげでこの修羅場に巻き込まれずにすんだことに感謝しつつも、何もかもが僕の計算通りに動いててやっぱり僕は天才なんだろうなぁと自画自賛してみる。なんてったって暇だからね



だってさぁ同じような事ずーっと言い争ってるんだもんあいつら。

よく飽きないよねぇ〜いい加減帰ればいいのにさぁ〜

僕城の中に用があるんだけどなぁ

あいつらいたら入れないじゃん。仕方ないなぁ〜


心の中で呪文を唱える。このくらいの魔力ならさすがにあいつらも不審には思わないだろう。

僕の魔力で現れたそれを口にはさみ彼らの上空へと飛び立つ。


かさりと音を立て彼等の間に丁度よく落ちたそれは僕の魔力で作られた青い薔薇。


「花言葉は不可能」


そう、君達ごときがルファを手に入れるなんて不可能なんだよ。諦めて帰ってねぇ〜



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捨てられた王子は世界を変える 桜木龍斗 @mizonoki

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