第8話自分の成長の仕方に戸惑う

何故だろう血がたぎる。捨てられた時には感じなかった捨てたもの達への恨み。死への抗いの感情。それが今すべて体のなかを巡ってくる。

そうだ、これこそが僕自身の父との親子の繋がりではないか。仲間でも必要なくなれば平気で捨てるその意思はまぎれもなくデウォップの象徴。

まさか捨てられて他人に気づかされるとは思ってもいなかったが。

悪くはない。気分がいい。そうだよ。僕を捨てた世界なんて滅んでしまえばいいんだ。


「おい!」


いつのまに近づいてきてたのかルファがまたしても至近距離で僕を覗き込んでいた。


「落ち着け」

「なにを」


いたって僕は冷静だ。落ち着いている。それよりも高揚感が広がって気分がいいんだから。


「お前今まで力を使ってないのか」

「力?」


なんの話だ。あきれたような表情のルファだが僕にはさっぱりわからない。仕方ないとルファは呆れながら呟いたと同時に僕の目の前は真っ暗になっていった。


「シン。お前わざとだろう」


意識を失ったサーゼ君をゆっくりと自分のベットに寝かせたルファの鋭い視線が僕にむけられる。


「わざとに決まってるじゃん」


その言葉にため息をつくルファには申し訳ないけどみたかったんだよねーサーゼ君の力。やっぱりすごいもんだよ、10歳でここまでの力は。ルファがいなかったらこの城今頃瓦礫と化してただろうなぁ。悪魔ともうひとつの血。まあ今回は破壊の意思だから悪魔の血が勝ったけどさ


「ルファも出るしかないねぇ~ここ」


もうすぐサーゼ君の力のせいで隠されたこの城の魔力を感じ取った者たちがここにくるだろう。まさかここまで狙い通りにいくとは思ってなかったけど流石サーゼ君といったところかな。


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