第7話出会いは時として人を成長させる6


ルファは父とミールの国王の事を知っているのだろう。いや、おかしな事ではない。

この世界に2つしか国がないのだから。その国のトップだ知らないものがいるわけがないから。

ただ、それにしてはルファの反応は国王としての反応ではない気がする。


「あーあルファ拗ねちゃった。」


ベットに戻ったルファにそんなことを言いながらカラスは僕を見た。


「サーゼは知らないことが多いからねぇ~何が知りたい?」


教えてくれるのか?この城に来てからの疑問について。


何故この城を父は真似たのか

何故選ばれし人種がここにいるのか

そもそも選ばれし人種とはなんなのか

ルファとは一体全体どんな人物なのか


「教えてくれるの」

「全部というわけにはいかないねぇ~。今知ってしまったら後戻りできなくなるし~一番知りたいことはな~に~?」


カラスだからか、表情が変わることはないのだろうがどこかせせら笑っている気がして妙にいらつく。

それに人の心を読んでるのかのような問いにもむかつく


「後戻り?」


ってなんのことだ。どっちにしろ僕はもう国には帰れない。ましてや10歳児が一人で生きていけるわけないのに。

後戻りもくそもないだろう。


「う~んそうだねぇ~。じゃあまず君に選択肢を上げよう。」

「選択肢?」

「そう!このまま死ぬまでここで平和に過ごすか、それとも自分を知るために旅に出るか?」

「旅?」


自分を知るため?どういうことなのか?なにか僕自身に秘密でもあるのだろうか?それを僕は知りたいのだろうか


「そう、サーゼ君、君は世界を壊す気ある?」


「おい!」とベットの中からルファが焦った声を出すのが聞こえたがそんなことよりカラスの言葉が僕の頭の中を巡っていった

世界を壊す?何故?僕の秘密を知ると世界が壊れるのか?旅に出て何かがわかるのだろうか?


あーあ、でも、なんて甘美な言葉だろうか【世界を壊す】頭を巡った言葉が僕の体全体に甘い痺れをもたらす。間違いない。僕に流れるデウォップ族の血のせいだ。

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