馬車馬と野次馬

&α 馬車馬課の野次馬

「お、副長笑ったぞ今」

「これは良い雰囲気なんでないの？」

「てか、副長って料理できたんだ」

「ううん。全然。わたしが教えました」

「ましで。すごいじゃん」

「課長に食べさせるって張り切って作ってたし、今日のオムレツはハートマークが崩れないように慎重を期して運んできてたよ」

「両思いやん。はよ告白せいて」

「いやあ、そこがいいんじゃないの」

「あ、社長」

「スカート課長もいるよ」

「と、スカート課長なぜここに」

「どうもどうも。スカート課長ですよ。手作りおにぎり食べる？」

「あ、いただきます」

「ありがたいす。いつも出刃亀すんのが楽しみで、みんな昼抜いてたんで」

「いや昼飯買ってから覗きしろよ」

「いや社長。これが難しいんすよ」

「テキトー課長と無機質な副長、いつ何が起こるかわかんないんです。見逃せなくて」

「馬車馬課は野次馬課でもあるわけか」

「で、社長とスカート課長はなぜここに」

「そろそろ関係に進展があるんじゃないかと思って」

「何で分かるんすか」

「総務課から連絡来たよ普通に」

「なんで総務課」

「あれじゃない。弁当運ぶ姿を受付とかで見たんじゃない」

「今度から馬車馬課には監視カメラ設置するか」

「いいすね」