上司と部下
後日、私の思惑通りミヅキが家に来た。
「フウカさん、あの電話なんなんですか?」
ミヅキは頭は悪くない。私がどういう意図を持ってあの電話をしたのかは分かっているはずだ。
「ああ言えばまた会えると思って」
「職場に恥ずかしい電話しないでください」
えー、私なりに必死に考えたんだけどな。
「嫌だった?」
「嬉しかったですけど、いつから知ってたんですか?」
うーん、今でもまだ信じられないけど、
「怪しいって思ったのはぶつかった時かな」
「最初からじゃないですか」
「ぶつかり方がわざとらしかったから」
「じゃあなんで家に入れたんですか?」
ミヅキはふてくされたように言う
それは私も迷ったんだけど
「仕事したいって言ったから」
ミヅキは目を丸くして吹き出した。
「ふふっ、本当、フウカさんって仕事ばっかりですね」
「仕事は私の恋人だからね」
「じゃあ電話の、愛してる、結婚しようってどういう意味ですか?」
ミヅキはジド目で私を責めるように言う。
「部下にほしい、転職しようって意味」
「ふふっ熱烈ですね」
「そっちが先に告白したんだよ?」
そのつもりはなかったんだろうけど
「なんのことですか?」
「上司にほしいって言ってくれたでしょ」
「ああ、あれ!ふふっ、くっ、あー、だめ、お腹痛い」
ミヅキはしばらく笑っていたが、さすがに笑い疲れたらしく、はーと息を吐いた。
それから、可愛らしく微笑んで言った。
「じゃあ、私たち両思いですね」
ビタービターハニートラップ かめろんぱん @kameronpan
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