モノクロマティック

モリアミ

モノクロマティック

怒りは赤色、悲しみは青色、喜びは黄色だって昔君が言ってた。でも君の世界ほど僕の心がカラフルにならないってこと、君には絶対に教えない。

悲しいことも嬉しいことも君は分け合ってくれる。でも君の涙を見るのが悲しいなんて、僕は絶対に教えてあげない。それでも君が悲しいときは悲しいし、嬉しいときは嬉しいんだ。そこに色なんてついて無くたって良い。君の怒りは燃える様なグレー、君の悲しみは海の様なグレー、君の笑顔はヒマワリの様なグレーだから。

友達は何だって打ち明けられるんだって君は言う。でも僕は君に言えないことが沢山ある。友達の条件って何だか君はきっと知らないはずなんだ。友達の条件はいつまでもずっと友達ってこと。君が僕を友達って思ってくれるなら、僕は何だって聞いて上げる。

君が虹を見てるとき、僕がそばに居なくたって構わないんだ。モノクロでだって虹くらいかけるんだから。君を困らせたりはしないよ、だってどんな色か分からないだろ。君の見てる虹と、僕の見てる虹は同じくらい鮮やかだから、だから絶対、君を心配させたりはしない。

君が嘘を嫌いなのは知ってるさ、でもこれは嘘じゃないんだ。少なくとも僕は君に嘘をついたりしない、僕は僕にだけ嘘をつくから。だから、僕の虹が鮮やかなグレーだって、絶対に君には教えない。

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