第2話 ラウンド0

 ルール公開後。突然、会場に質問の波が押し寄せた。波の主は、タルミである。



タルミ「次のラウンドの投票を予約できるか? また、2つ次以降はどうか?」



ディーラー「できません」



タルミ「一度行った投票を変更できるか?」



ディーラー「時間内なら可能です」



タルミ「ラウンド0では獲得した領地のうち望む数に地雷を仕掛けられるか?また、それは1領地につき1つまでか?」



ディーラー「はい。そして、制限はありません。」



タルミ「取引で移動できるのは、現金、領地、地雷、A・B・Sの権利、pのうちどれか? また、他に取引で移動できるものはあるか?」



ディーラー「すべて可能。他にもあるかもしれない」



タルミ「取引のなかに成立しない部分がある場合、その取引の全ての部分は不成立になるか? また、その場合に不成立の通知は送られるか?」



ディーラー「どちらもはい、です」



タルミ「ラウンド0に得るポイントは、獲得した領地が1つにつき1pか?」



ディーラー「はい」



タルミ「地雷が2つ設置された領地がアタックされた場合、各地雷ごとに地雷の持ち主がポイントを奪うか?」



ディーラー「はい」



 質問は終了。そして、全員に個人ナンバーが配布された。



モトマチ 1


タルミ 2


ミカゲ 3


ナガタ 4


ナルオ 5


クジョウ 6



 すると、またもやタルミが会場に現れた。



タルミ「その前に、ひとつ宣言しておきます」


タルミ「私は今日、」


タルミ「3、4、5の領地を取りに行きます。被せるかどうかはお任せします」



 3、4、5の領地はいずれも高級領地。たったひとつでふたつ分。もし仮に3個ともとれたならば、圧倒的優位に立つことは間違いない。



 ━騙し合いが、始まる。



ミカゲ「間をとって私は6でも頂きましょうかね(笑)」



ナガタ「奇遇ですね、私も3・4・5にするつもりなんですよ」



モトマチ「俺は 1 を取ります。2〜5も取りに行きましょうかね。今宣言が無いのは2かな? 2も俺狙ってるんで気をつけてくださいね」



ナルオ「皆さん宣言される感じなのか……

うーん……まぁ、自分も1〜5のどこかを狙うとだけ……」



タルミ「3・4・5投票してきた」



モトマチ「最終宣言致します。『 1 』と 『25〜30のうちのどれか2つ』を取ります。

ここで嘘つくメリットも薄いので絶対です」



ナルオ「投票、14、16、18でしてきました。確実に行かせてもらいますね」



 その間にも、時間は締切へと刻々と近づいていく。そして、全員が投票、集計された。



ディーラー「それでは、発表します。」



⚪結果⚪


━全体通知━


プレイヤー1(モトマチ)1、29、30


プレイヤー2(タルミ)なし


プレイヤー3(ミカゲ)なし


プレイヤー4(ナガタ)10、17


プレイヤー5(ナルオ)22


プレイヤー6(クジョウ)7、11、13



━個人通知━


1 1.29.30 4p


2 なし 0p


3 なし -1p


4 10.17 2p


5 22 2p


6 7.11.13 3p



⚪終⚪



 何故だろう。何故であろうか。ラウンド0はポイントがマイナスになるような方法はなかつたはずなのに。


 この謎のマイナスがミカゲを襲う。


 いったい、このゲームはどうなるのか。


 こうして、ラウンド0は終了した。


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嘘つきたちのマネーファイト くろ @ryy

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