嘘つきたちのマネーファイト

くろ

　日本、某所。一人の男がパソコンの画面を見つめていた。彼はたった今、とあるゲームのルールを作り上げたところだ。そのゲームひとつで人生が変わる。何せゲームの結果で何億という金額が動くのだ。貰えるかもしれないし、奪われるかもしれない。

　このゲームは便座上リアルライアーゲームと呼ばれている。ドラマにもなった人気漫画「ライアーゲーム」のゲームシステムを元に作られているからだ。とにかくゲームごとに戦略をたて、プラス収支を目指さなければならない。そのために仲間を作ったり、嘘をついたり、なんでもする。原作通りとても（金銭的に）厳しいゲームである。

　それだも彼は信じている。自分が勝つと信じている者が、なりふり構わずにはいられない者が、スリルを求めている者が、必ず参加してくれると。

「これでよし、と」

　そして彼はついにプレイヤーの募集をネット上にアップした。これで開催できれば彼もディーラーの仲間入りだ。

　そして、圧倒的頭脳戦が、幕を開ける。

　ゲーム名は、「領地獲得ゲーム」。