◆竹林に包まれて◆
peridot
第1話
◆竹林に包まれて◆
梅雨が明けました。
蝉が鳴きジリジリと強い日差しを太陽が地上の物体全てに突きつけます。
白猫マロンシャンテリーは、涼しい風の通る場所をよく知ってます。
中でもお気に入りは誰もいない和室。
四面に窓や扉が開いてます。
それは風と光の通り道。十字のライン。
マロンシャンテリーは十字のど真ん中。
空いた襖の向こうは寝そべった私。
不思議なにらめっこ。
まるで竹林に二人きりいるような感覚に陥ります。
畳の上に寝そべったマロンシャンテリーの向こうは窓。網戸。そして簾。
まるで、御座の上に横たわる十二単を着た平安調の姫君のようだよ!
簾の奥にはとんでもない姫君。マロンシャンテリーがいるなんて誰が想像しえよう。
世の中にはとんでもない姫君美猫が隠れたもんだ。
やっぱり猫は広々と誰もいない空間で静寂に包まれたい生き物なんですね。
なんて生意気で贅沢な生き物でせう。
◆竹林に包まれて◆ peridot @nekocute
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