僕が君についた嘘。

漁好 湊 Gyokou Minato

プロローグ

ある日の夕方僕は意味もなく中学校の帰りに公園へ立ち寄ってベンチに腰掛けた、茜色に色ずいていく空を眺めながら僕は黄昏ていた。


ポツ……ポツ……。


小さな雨が降り始めていた

砂場で遊んでいた子供たちが作っていた作品を雨は徐々に徐々に崩していった

早く帰らなきゃ行けないのに、早く帰らなきゃ濡れてしまう、なのに、そんな雨が今日だけ心地良く感じていた。


ピコンッ


僕がいつの間にか地面を眺めている時、不意に携帯がなった

僕はそっと携帯を覗いてみると彼女から一通のLINEが届いていた。


「ごめん、別れよう」


僕は少しの間フリーズしてしまった

頭の中でLINEのメッセージの意味を繰り返し繰り返し、変わりもしない文字を唯読んでいた

読んでいく度に僕の頭が真っ白になって何も考えられずにいた。


茜色に染まっていた空は一条の光も見出せない暗闇だった、徐々に徐々に雨の音が激しさを増していきシャツが濡れているのを感じると夢じゃないと言っているようだ。


僕はもう一度携帯を覗き見た「ドッキリだよ」とか「冗談だよ」という言葉が来るのを待ち望んでいただけど何度覗いても数分の時間が経ってもそんな言葉は来なかった


これはそんな僕と僕の彼女……元彼女が送る恋愛だ。

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僕が君についた嘘。 漁好 湊 Gyokou Minato @tuna_810

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