死月王の泉
【本編情報】
『死月王の泉』
――この世界を終わらせるために来たのでしょう?
https://kakuyomu.jp/works/1177354054921451498
第一回神ひな川小説大賞参加作品。
異世界ファンタジー
9,995文字
* * * * * *
新規書き下ろし、テーマ『ハッピーエンド』、3000~10000字、完結済、というレギュレーションで2020年8月21日~2020年9月21日に開催された自主企画『第一回神ひな川小説大賞』のために書いた作品です。
(自主企画ページ: https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054919001060 )
この企画には先に『遺書』を投稿していたのですが、その後よそさまの参加作を読み読みしていたらこむらさきさんの『花と夜』という最高長髪イケメン小説がド正面から私を撃ち抜き、そこで私はTLに叫んだんです。
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ヤダーーーー!私もこういうの書くーーーーーーーー!!!!!!!!!ひたすらに一途で純粋でうつくしい長髪イケメンの幸福……
むりか……(キャラの内面がすぐ薄暗くなることで定評のある鍋)
引用元:鍋Twitter
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というきっかけなので、私的レギュレーションが『長髪イケメンがハッピーエンド』です。
あと、同じくこむらさきさんが最近公開された『茨姫の凱旋』がめちゃ良くて、眠れる森と囚われのナニカと誤解最高じゃねーの!となっていたので、鍋の頭はジェネレータ的に次のような文言を吐き出しました。
『眠れる森の長髪イケメンBLでもいいじゃん』
こうして私利私欲で何かを書き始めました。
あ、先行資料なので『花と夜』『茨姫の凱旋』はぜひお読みください。良いので! 私の好みなので!
『花と夜』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919186607
『茨姫の凱旋』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893678360
で、私利私欲で書き終わりました。早いな。いや決して早く書けたわけではなかったんですけど、例によってあんまり記憶がないものですから多分こう、欲望のままに書いたんでしょうね。わかる。自分に対するわかりみ。
吸血鬼にヴァンパイヤとルビ振ったのも初めてだし吸血鬼狩りのダムピールを出したのも初めてですね。今回は割と世間に流布するタイプに近い吸血鬼です。
ただ、古典的な起き上がりの死体だと体温なさそうなのでそれはやめて人間なみに体温があることにして、あとは抱え子システムだけ創作しました。
作中ラストで名無しの男が咬まれてるか咬まれてないかはちょっと迷いましたが、そのうち咬んでもらうみたいな曖昧な過渡期状態があった!というのもエモいな~という軽い気持ちでああなりました。あのふたりの、まだ『完成』してない時期ってエモくないですか。私だけですか?森を出るときの約束が婚約で、咬んで両方吸血鬼になるのが結婚です。エモいって。
あと、ここがカクヨムじゃなかったら珍しくあの二人のえちちも少し書いたかもしれないのですけど、何しろここはカクヨムちゃんなので書きませんでした。毎度ながら字数もヤバいことですしね。
まあでもカクヨムで私が書いた恋人たちの中では一番ド甘いトロトロえっちしてそうなイメージです。この二人はまじでお互いの死と命と身体に溺れているので。
講評では官能的と言っていただけて嬉しかったです。してるとこ直接的には書いてないんですけどそういう何かをお出しできればカクヨムちゃんでも雰囲気えちいのは書ける……かも……!
ここは大事なところなんですが、二人で生き始めてからは、守られている方のエリューカが名無しの男を甘やかしています。
非常に大事なところです。
名無しの男がエリューカに対して過保護なようでいて、本当に甘やかされるのは名無しの男のほう。
死にたがりだった桁違い年上不死美青年に甘やかされる半人間の夜族狩り青年です。
大事なところです。まあ夜族としてはエリューカが親ですしね……。
さて『死月王の泉』という名前ですが、幾つかマイナーチェンジを経てこの名前になりました。オルカという読みはエリューカの名の転じたもの。死の月は夜族の玉座の異称という感じでこう、何となく。何となくですね……。
ラストで名無しの男にエリューカのつけた名前を持たせようかとも思ったんですがちょっといつものアレすぎるし字数もギリだったんで(そればっか)、話のなかでは名無しのままで。実際には旅を始めるときにエリューカが呼び名をつけているだろうと思います。
血と死と月と迷宮の森、囚われの美青年が死を乞い、死んでもそれならそれでと思っていた夢も希望もない夜族殺しが狩る対象に惹かれてしまう……こういう雰囲気全振りのメロいの、たまに書いてみるとめちゃくちゃ楽しかったです。好きなものだけガンガンぶっ込んでるのでそりゃ私が一番楽しいに決まってるんですよね。はーよかった、この企画参加してよかった!
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