応援コメント

後戻りできない男のプライド「臆病者」②」への応援コメント

  • あららっ。戦う前に逃亡したということでしょうか。でも本人は、誇りを守らねばならない。決闘を決めた自分は勇敢だったと、偽りの言葉でもそう思い込もうとしていたのですから滑稽ですね。あ、そんなことを言ってはいけないですね。本人は真面目だったのですから。
    負けることも、本番でビビっちゃうことも嫌だった。
    プライドが良い方に出るとかっこいいですけれど、悪い方に出ると情けないっていうね。
    子爵でかっこよくて髭面で……って前半で散々褒めてからの、後半のチキンな感じ。
    モーパッサン先生、イケメン貴族には容赦がないですね。

    作者からの返信

    遊井さん、コメントありがとうございます。はい、戦う前に逃亡(死亡)しました。最初に読んだときは「なんだそりゃ?」だったんですが、ここに書くために読み返したら、男が恐怖に陥っていく過程の解像度が高くてすごいなと思いました。
    矛盾している気持ちに折りあいをつけようとして最悪の結果を選ぶって、決闘だけの話じゃないかも知れないですね。
    先生は人の本性を暴き出すのがお得意ですが、イケメンの金持ちなどは格好の餌食ですね。剥き甲斐があると思います。


  • 編集済

    これはまた。実に考え込んでしまう作品ですね。生きるとは、何だろう?と常々考えてしまう病に侵されている私には、全く笑えないお話のようです。

    見栄と名誉。臆病と勇気。無駄死と充実した生。これらは相反するようにみえながら、突き詰めてしまえば同根のようにも思えます。極限に達した主人公は、ひとつの解答を得た。他者の手を借りることなく、自分だけで到達可能な最短の答え。それは滑稽な姿ですが、我々の姿でもあるのかもしれません。

    ありがとうございました!非常に面白かったです!読み返して、もう少し考えてみたくなる作品でした!

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます。いつもながら深い洞察に感服します。
    そうですね、自己完結して一番極端な答えを選ぶのは、この話の場合だと逃げたことになるかなあと思います。我々のような庶民にも銃口を喉に突っ込みたい気持ちがある。でもそれをしないでジタバタしていることこそが生きることなのかも知れません。
    突き詰めれば同じ根っこでも、捉えようによって違う言葉になるってことですかね。どちらに捉えるかは、自分の「つもり」と、現実にしていること、他者(読者)からの目線などでは全然違ったものになる。面白いです。こちらも色々考えさせられました。紹介した甲斐があります。ありがとうございます!

  • ええカッコしちゃったけど後戻りできなくなった、見栄だけは大きい小心者の様子がよく伝わりました!
    こんなの怖いに決まってます。日本の切腹といい、何で昔の人って死ぬことを名誉とかケジメの付け方みたいに思うんでしょうね〜。
    「これは私の遺言である」を遺した子爵の、後の評判がどうなったのか気になります。本人が知らずに済んだのは唯一の救いかも?

    作者からの返信

    黒須さん、コメントありがとうございます。
    前半と後半のギャップがすごいというか、子爵の生身の姿が暴かれるのが残酷であり滑稽ですね。
    死ぬことで責任を取ったり名誉を守るのは古いですけど、逆に今は恥も外聞もなくなってるのかも、なんて思います。偉い人ほど。
    死んでしまえば後の評判は関係ないですからね。子爵はやっと解放されて楽になれた、とも思えますね。。

  • おお、なんとも面白い結末ですね。
    考える時間があるのもいけないですね。
    その場で決闘が始まったら、どうなっていたんだろうって考えます。
    けれど、こういう所がモーパッサン作品の醍醐味ですね。
    今回もウイットに富んだ語り口調、楽しかったです。
    ありがとうございます♪

    作者からの返信

    ハナスさん、コメントありがとうございます。
    予想外の方向へ進むのが面白いですね。もしもその場で武器を持ってて撃ち合いをしたとしたら犯罪になるんだと思います。この正式な手続きの間にどんどん不安が募るか、腹をくくれるかの問題なんでしょうね。
    物騒な話でしたが、楽しんで頂けてよかったです。こちらこそありがとうございます♪

  • ま、まさかの結末。
    決闘が怖くて、その準備段階で、心が折れて、まさか、そこですか。

    モーパッサンって本当に面白いですよね。

    作者からの返信

    雨さん、コメントありがとうございます。はい、まさかの結末でした。ぽっきり心が折れる瞬間が怖すぎます。
    苦情が来そうな内容なのにこの説得力、さすがモーパッサンですね。。

  • こんにちは。
    実際に決闘で亡くなってしまった作家もいましたね。当時はそれなりに身近なことだったのかなと思います。
    お話自体は皮肉なコメディですが、私はむしろ子爵に共感します。私自身も、いつ事故や事件に巻き込まれて死んでもおかしくないしそれは仕方ない、と普段は考えていますが、いざ死の危険が目の前に迫ればみっともなく取り乱すんじゃないかとも自分を疑っています。
    そんな人間の弱さを鋭くえぐり出すモーパッサン先生はさすがですね。

    作者からの返信

    久里さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
    決闘はけっして珍しいことじゃなかったでしょうが、同時に注目されるプレッシャーも凄かったんじゃないかと思います。この子爵はそれに負けたのもありますよね。
    死を覚悟しなきゃいけない、というのが現実に目の前にあったら……自分はみっともなく最後まであがきそうです。外聞や誇りを気にして自滅するって選択はしない気がしますね。。


  • 編集済

    柊さん、こんにちは。
    先日、私が「決闘」の話を書いた時、柊さんがコメントに「先生にもかなりの決闘の話がある」と書いてくださいました。それで、どんな作品があるのだろうかと思っていたところでしたので、このタイトルを見て、わくわくしました。読んでみると、想像以上におもしろくて、さすがのド・モーパッサン先生!

    私の書いた決闘は史実で、ピストルがうまい元判事が勝ちました。
    さて、こちらの独身の子爵は、ピストルの名手。その上、イケメンで、気品、ユーモア、資産あり。それが本当にささいなことから決闘することになりますが、相手がただのおっさんですから楽勝ですよね、普通なら。ただ女性を見ていただけで、殺されるおじさんはかわいそう、と思っていましたが・・・・。

    先生がそんな風にはストーリーを進めていくはずがありませんよね。
    このパーフェクトな子爵が突然、ビビり出します。そうきましたか。ああ、おもしろい。

    それも、子爵は「死」そのものを恐れるのではなくて、死んだ後笑い物になり、女性からはさげすまれ、新聞の記事になり、臆病者と言われるのを怖れているのですよね。
    そんなこと、怖れなくてもいいのに。ピストルの名人なのだから、普通にやれば死ぬことはないでしょうに。
    でも、子爵の考えはマイナスの方向に行くばかり。子爵は銃口を口の中にいれた時、これで死ぬ方法が見つかったと微笑みます。なんですか、この子爵!?

    おじさんは女性がアイスを食べているところを見ていただけなのに、それが貴族のプライドに傷がついて、決闘になってしまう話。
    びびるのがおじさんならわかりますが、パーフェクトな子爵がこんなことでノイローゼになる話なんて、先生にしか思いつきませんよね。

    ところで、子爵が死んだことを知らされた人々は、たぶんピストルを磨いていた時の偶発事故だと思うでしょうね。まさか、自殺だなんて、誰も想像もしないでしょう。
    それから、一番ほっとしたのは、おじさんでしょうかね。
    変な言いがかりをつけられて、ビンタをくらわされ、決闘を申し込まれ、これでおしまいだと遺書まで書いて置いたのに、朝になったら、子爵は死んだという知らせ。でも、19世紀、決闘を申しこまれることはよくあったようですから、おじさんはこれも運命だとわりと平然と構えていたかも。
    それにしても、このパーフェクトに見えた貴族、メンタル弱すぎ(笑)

    作者からの返信

    九月さん、コメントありがとうございます。
    この短編を取り上げようと思ったのは、まさに御作品で決闘の話を読んだからです。それで、いくつかある中でも異色なこの短編を選びました。本当はオーソドックスな決闘が行われる話を紹介するのが先なんでしょうけど、自分自身があんまりそういうシーンに興味がないので(笑)このような変わり種を選んでしまいました。むしろこの展開の方が人間くさくて好きです。
    だいたいこういう主人公は先生が嫌いなタイプなので、ろくなことにはならないだろうと思うんですが、それにしても追い詰めますね。お書きになった通り、死よりも恐れているのは不名誉のほう。ピストルだって普通にやれば勝てたかも知れないのに、怖くなったのは生来の小心者に加えてこの誇りが邪魔をしたのでは、と思います。
    おじさんが何者だったのかは最後まで分かりませんが、最初しか出てこない(しかも女を見てるだけ)なのに子爵の妄想の中で手強い人になっているのが笑えます。
    多分女性はこんな馬鹿なことはしないでしょう。もっと現実的で、折れるところを知っていると思います。決闘をするのは男だけだし、戦争を始めるのも男だけですね。

  • 決闘ってその場でするのかと思ってました。こんな手続きをしている間に冷静になって仲直りできそうですよね。申し込む前に家に帰って頭を冷やせばよかったのに……。
    おっさんは割とのほほんとしていそうで、出番が少ないのに大物の存在感がw

    作者からの返信

    橋本さん、コメントありがとうございます。
    その場でサクっと、というわけに行かないのが公的な決闘のめんどくささですね。これ、一度言い出したら引っ込めるのも不名誉なんだと思います。
    おっさん、少ししか出ないのに大物感ありますよね(笑)子爵の頭の中で人物像が膨らみすぎたようです。敵への誇大妄想までリアル。。

  • これはまさに自滅のお話ですね。決闘する前に自殺とか、やっぱりモーパッサン先生らしい意地悪な話ですね~~登場人物もですが、やっぱり先生がこじらしてるなぁと・・・そこがまた、良いのですね??笑

    作者からの返信

    引き続きコメントありがとうございます。
    自滅しました。前半の書き方から意地悪な匂いがするのでこれはなんか来るなと思うんですけどね、まさかここまで追い詰めるとは驚きです。化けの皮をはがすような残酷さが先生ですね。。。

  • あ〜〜〜、ですね。
    こんな事でこんな事になるなんて…
    人間は思い込みで自分自身を狂わせてしまう生き物なんだと思います。その素質(?)は誰もが持っているのかもしれない。
    自決とまではいかなくても、きっとこれは変なプライドへの戒めですね。

    作者からの返信

    風羽さん、コメントありがとうございます。
    なんか一番残念な結果に終わりました。恐怖とプライドの板挟みになってる心理状態がリアルで……。思い込みと見せかけのプライドの愚かさを感じます。状況を変えればこの素質が誰にでもあるのかなと思うと怖いですね。。

  • 臆病者ってこっちかいっ!(笑)
    まさかの展開でした。斜め向こうどころか後ろ向き真っ逆さま(^^;
    いろいろ備わった完璧な嫌味子爵、自分のプライドに殺されてしまったんですね。中身の詰まっていないがらんどうのプライドだったから、剥がれたときになにもなくなってしまう……メッキがすべて剥がれきる前に選択した行動は、ヘタレ子爵のなけなしのプライドによる最善だったのでしょう。理解できんけど。
    決闘に、いろいろ事務的な手続きが必要で、時間が空いてしまったこともよくなかったのかもしれませんね。ぱっちーんといくのじゃなくその場でピストル撃つことならできたのかも。捕まるでしょうが(笑)
    さすがモーパッサン先生、はぁ!? と首を傾げてしまうような展開のなかに、人間の複雑な心理が深くえぐるように描かれていてすごいなあと思いました。もちろん、それを軽妙にユーモアを交えてわかりやすく伝えてくださる柊さんも素晴らしいです。
    楽しませていただきました♪ またの更新をお待ちしております。

    作者からの返信

    烏丸さん、コメントありがとうございます。
    卑怯者はこっちでした(笑)フランス語だと、臆病の中には卑怯とかそういうニュアンスも入ってるかなと思います。この場合も結局は対峙することから逃げていますよね。
    そうなんですよ、メッキのプライドだから剥されたときの自分がどういうものか知っている、そこが描いてあるのが怖いのです。モーパッサンは決闘そのものよりもそっちを書きたいんだろうなと思います。
    諸々の手続きがやけに現実的なのも恐怖を増長させますよね。
    自分も最初読んだときは「はあ?」ってなりましたが、読み返すと一語一語が抉るようで、徹底してるなと思いました。
    楽しんで頂けてよかったです。今度は明るい話を……(あれば、ですが笑)


  • 編集済

    柊圭介さん、おはようございます😊

    いやはやなんというかアンビリバボーな結末。
    自分から挑んでしまった決闘にもかかわらず、色々な憶測で決闘せずして我が身を自ら滅ぼしてしまうとは……。
    子爵にとって大事なものって何だったのでしょう?
    誇りを守ること?名誉を守ること?勇敢であること?決闘を決めること?
    それらを失うことが命より大事だったのでしょうか?
    なんだか哀れであり滑稽です。
    冷静に考えればおかしな話ですが、人間とは時としてそう言ったどうでもいいことにこだわってしまう生き物なのかもしれませんね。
    モーパッサンのするどい示唆に笑ってばかりはいられない気がしました。

    作者からの返信

    この美のこさん、おはようございます😊朝からこのような話で恐縮です。なのにコメントまでありがとうございます。
    まさかの結末でした。1日のあいだに子爵の頭の中がパンパンに膨らんでいくのが手に取るような描写で書かれています。
    彼を殺したのは不安の先にある名誉とか誇りで、第三者からするとそれが理解不可能だし滑稽ですが、この設定を別のものに置き換えると意外と近くにある話なのかも、と思います。自分の価値観に固執して自分から身を亡ぼす生き物は人間だけですね。

  • あんれまあという結末ですね~。( ^^) _旦~~
    申し訳ないですが、あまり同情できないような……。

    誇りを守らねばならない。気高くなければ何もかも失ってしまう。
    ← 子爵という立場も大変なんだねとは思います。
      命より大事な誇りって、なんなんでしょうね。

    だれもそんなこと思っていないのに、本人だけは頑なに死守したいものって。
    滑稽でちょっと侘しくて、思わず自分を振り返ってしまうようなお話でした。

    作者からの返信

    上月さん、コメントありがとうございます。
    僕も最初に読んだとき「あんれまあ」と思いました(笑)
    この界隈の方々の価値観は庶民には分かりませんが、命より大事な何かに固執しているのを客観的に見せられると、決闘だけの話じゃないなと思わされます。
    自分のことは棚に上げそうだけど、もしかしたらこんな部分があるかもしれない……振り返るって目線に気づかされました。ありがとうございますm(__)m