応援コメント

私を捕虜にしてください「ウォルター・シュナッフスの冒険 L'Aventure de Walter Schnaffs」」への応援コメント


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    柊さん、こんにちは。
    ウォルター・シュナッフスの冒険は、私にとっては妙に「戦争」が感じられず、コメディとしてとても楽しみました。誰も殺されないストーリーなので、安心して笑いました。
    ウォルター・シュナッフスおじさんは全然ブロセイン人らしくなく、「太っちょでのろまで、機敏な兵隊なんてガラではありません。穏やかで優しい性格で、争いごとなんて大嫌い。4人の子どものパパであり、若く美しい妻を心から愛している男」
    しょうがなく徴兵されて、ある時、空腹すぎてあるお城に侵入、みんなが逃げちゃって、彼はたらふく食べて寝てしまうなんて、ほんと、コメディ。現実から離れすぎていて、楽しい。
    そこに50人のフランス兵がやってきて、50の銃口をつきつけ、おじさんはぐるぐる巻きに。そして、願っていたように監獄へ。
    私が一番笑ったのはフランス兵のところ。だって、知らないとはいえ、50人でやってきて、6時間かけて、眠っているおじさんを逮捕して、指揮官は勲章ですよ。
    私はフランス人のことをよく知っているかというと、全然知らないのですが、旅のちよっとしたまた聞いたりしたことなどから、フランス人って、こういうところがあるなぁと思ったりはします。フランス人って、概して大失敗をしても、それを〈恥とは思わず、自慢風に)笑ったりして。そういうところないですか。
    たとえば、私がモンサンミッシェルに行った時、島までのバスは一本通行でしたが、ちょうど橋を作っているところで、橋が完成したらバスが二本通行になる予定。でしたが、設計ミスで、道路幅が狭く、完成しても一本通行だとか。
    それから、別の時に聞いた話では、フランス鉄道の電車が古くなったので、新しいのを注文したら、一部、駅が狭いところがわかり、新電車が使えなくなったとか。
    フランス人が「フランス人って、こうなんだよね」という感じで笑って話してくれたので、日本なら笑って話せはしない。誰かの首が飛ぶわとか思いました。
    これらの話は聞いただけで事実は知らないのですが、おじさんを捉えたフランス兵の話にも、同じようなニオイを感じました。

    モーパッサンはタイトルを「ウォルター・シュナッフスの冒険」にしていますよね。これって、ギリシャ神話の「オデュッセウスの冒険」にかけていませんか。オデュッセウスはトロイで活躍した英雄ですが、彼も戦争に行きたくはなかったのです。やはり家族と一緒にいたかった人。でも、どうしても行かねばならず、戦いで10年、帰路に10年かかりましたが、ついに愛する妻のもとに帰りました。ウォルター・シュナッフスも何年かかるかわかりませんが、きっと美しい奥さんのもとに帰ることができるような気がします。


    作者からの返信

    九月さん、コメントありがとうございます。
    そうですね、戦争の話なのに誰も死なないし、展開も視覚的でマンガみたいですよね。太っちょのおじさんが滑稽なのに、なんだか可愛らしくて悲哀も感じて、こんな戦争の描き方もあるんだなあと思います。
    最後の6時間かけて50人でやっと逮捕ってところはフランス人の気の小ささが出ていて笑えます。それだけプロイセン兵が脅威だったんだろうなとも思いますが、大袈裟ですよね。でも結果オーライだと勲章とか、もうギャグですね。
    橋のお話とかフランス鉄道のお話とか、ああ~やりそうだと思いながら読んでました。失敗しても開き直るのが瞬時の速さですよね。他人に許してもらう前にご自分で許す方が多い気がします。こういうメンタルで生きていれば病まないだろうなあ、なんて。
    ギリシア神話系は詳しくないのですがユリシーズのことですか。なるほどおじさんと比べるのはかわいそうだけど似ていますね。そう言われるとシュナッフス氏も家族の元に帰れるような気がしてきました。お優しいコメントで朝からほっとしました。ありがとうございます!

  • シュナッフス氏の兵隊なんてガラじゃない。争いごとなんて大嫌い。家族を愛し、ゆっくり起きて早く寝て、のんびりと美味しいものを食べるのが好き。というのは、ごく普通のことで。そんな普通の感覚を奪われて人を殺すよう仕向けられるのは、悲劇以外のなにものでもないですね。
    モーパッサン先生は戦争を体験したからこそ、過去のものとして笑い飛ばしたい気持ちがあったのかな?って。
    でも残念ながら、歴史から戦争はいまだに消えることがないですね。
    日本では、ウクライナの一般市民がどれくらい犠牲になっているか報道されるのですが……。犠牲者は一般市民だけではなく、両国の兵士も犠牲者なのだと考えさせられます。

    作者からの返信

    そうですね、ごく普通の生活を送りたい普通の市民を主人公にした話は、読み手にもすごく近く感じられると思います。まるで自分がその場に放り込まれてシュナッフス氏と同じ体験をするような。敵兵であっても憎しみではなく哀れさを書いていると感じます。
    といっても、前に読んだときは敵兵を笑っている話としか捉えていなかったです。今の世界の状況にあって、ロシアの兵隊の話がほんの少しだけ見えた時に、この話もやっと分かった気がします。
    結局、一般の市民は一部の人間が決めることの犠牲者ですね。

  • リアルタイムで戦争が起きている時期、そしてウクライナで「捕虜になりたい」ロシア兵がきっとたくさんいるんだろうな、というニュアンスを汲み取りながら読ませていただきました。そんな過去も結局は次第に風化して次の戦争が始まってしまうのかもしれませんが。。。

    柊さんもどうかご無事で。

    作者からの返信

    叶さん、コメントありがとうございます。
    今まで「過去の話」としてモーパッサンの戦争の作品を読んできましたが、こういう世界に陥ると感じ方が変わってきますね。プロイセン兵になぞらえてしまいましたが、プーチンのような元首を持ったロシア兵たちは何を思えばいいんでしょう。この現在もいつか過去になる日が来るのか……まったく読めないですね。

    こちらにまでお気遣いありがとうございます。それから、もう最新話までお読みくださり、沢山の星を頂いてすごく嬉しいです。
    早く穏やかな日々が戻りますよう。
    ありがとうございますm(__)m


  • 編集済

    さすがモーパッサン、いろんな角度から読めそうですね
    柊様の解説が秀逸です、また図書館で借りてこようと思います

    戦争になる前に個々の死について熟考する指導者が世界に増えれば世界は変わるのでしょうね
    ちゃんと選挙で選ばなければと思いました

    作者からの返信

    カナリヤさん、コメントありがとうございます。
    自分が感じることを自分の言葉で語るのは難しいですね。今回もモーパッサンの作品を借りただけといえばそれまでですが、現実のロシア兵の本音はなんだろうと考えるとどうしても取り上げたく。
    それぞれの立場で抗議の気持ちを表すことは間違ってないと思います。書くサイトであれば書けばいいと思います。
    この作家が執拗に戦争を描いてきた意味が、今の状況になってより身に染みます。
    カナリヤさんのお言葉、力強くて温かかったです。ありがとうございますm(_ _)m

  • 今はもう、書く気力はもちろん読む気力さえが減退してしまい、途方にくれるばかりの日を無為に過ごしております。
    人間て、一体何をしているのでしょう?
    世界はなんて、脆弱なのでしょう?
    ご紹介頂いた主人公の滑稽であまりにも悲しい姿は私自身の姿にすら見えます。突然理不尽な世界に放り込まれ、抗う術も解らずに這いつくばり。それでも無情に腹は減る。
    でも。そうですね。だからこそ我々は、見出ださねばならない。人間の愚行を知るからこそ、我々は生きるに足りる世界を見出ださねばならない。たとえ愚行が繰り返されても、だからこそ生きるに足りる世界を造っていかなければならない。ありがとうございますっ!取り敢えず寝ますっ!

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます。お気持ちが分かりすぎて……。自分がこの話を取り上げて何か意味があるのかと言われれば何の役にも立たないわけで、書くのを躊躇しました。でも無力な一般市民にも口と金だけは出せると思っています。少なくとも自分たちはこの兵隊のように意思を認められない国には生きていない、それは幸いなことだと思います。
    同じことを繰り返す21世紀の人間を、モーパッサンやほかの先人たちはどんな目で見ているでしょうね。歴史を逆行するような事態に呆れているかも知れません。でも生きるに足りる世界を見出すためには、愚行には愚行だと声を上げるのを諦めてはいけないと思っています。


  • 編集済

    コメディとはいえ、今は笑えませんよね。
    戦争が現実に起きているんですもん。

    きょうYouTubeで、アメリカ政府の首脳部で、プーチンの精神状態をまともじゃないと考える向きもあるようです。

    独裁者は精神が狂ったのか?
    だとしたらこんな恐ろしいことはないですね。
    まあそれはともかく、一刻も早い終結を望んで、ただ見守るしか出来ないのがもどかしいです。

    作者からの返信

    レネさん、コメントありがとうございます。
    この作品を前に読んだときは流してしまった部分も、現実に起きていることを重ねて見るとペーソスに満ちていると感じました。
    今前線にいる兵隊たちの本音はなんだろうと想像すると、独裁の恐ろしさを感じずにいられませんね。
    もどかしいというお気持ちすごく分かります。ひとりの権力者のために核という最終的な段階に向かわないことを祈っています。

  • コメディとは言っても、ありそうなことですよね。敵国の村に忍び込み、空腹でたまらず食事に手をつけてしまうなんて、けっこうあると思います。そもそもシュナッフスさん、支給される食事だけじゃ足りなさそう…

    戦争はなくなりませんね。過去の惨劇に学ぶことはできなかったのだろうかと…。辛いことです…。

    作者からの返信

    黒須さん、コメントありがとうございます。
    自分がこの状況に置かれたらきっと同じ思考回路になると思います。シュナッフスさんのキャラクターが万国共通であるだけ、コミカルに描かれるほど余計悲しさが増します。
    仰るとおり、過去から何も学ばない一部の権力者のために、犠牲になるのはいつも庶民ですね。

  • ほんとに、このプロイセン兵は名もない善良な人ですね。好きで戦争に参加しているわけではなく、多くの人が否応なく巻き込まれて命や家族を奪われたのですよね。

    いまだ戦争は起こるのはやりきれない事実です。この星の成熟はまだまだ未来のことのようです・・・

    作者からの返信

    神原さん、コメントありがとうございます。
    シュナッフスは笑いものにするにはあまりにも善良な人で、かえって悲しさが勝ってしまうんですよね。前に読んだときより、今の状況で読み返すと複雑な気持ちが増します。
    一部の権力者のために犠牲になるのはいつも末端の人間ばかり...というのも、リアルな光景を見せつけられて改めて思い知らされるんですね...。

  • シュナッフス。非常に人間的で、あまりに人間的で、だからこそ感じるペーソス。コメディですけど、チャップリンの映画に流れる悲しみと似ていますよね。

    作者からの返信

    雨さん、コメントありがとうございます。
    チャップリン、なるほど!すごくしっくりきました。
    モーパッサンがどういうつもりでこの主人公を書いたのか分かりませんが、笑いを取れば取るほど悲しさも倍増するところ、まさにチャップリンですね。

  • いつもならモーパッサン先生のユーモアも笑えますが、
    今は昔の話、遠い世界の話だとみられなくなってきました。
    世界情勢をリアルタイムで知る事が出来るからですね。

    いつの時代も血を流すのは、愛する家族を思う名もない兵士たちですね。
    捕虜になりたいっていうのも頷けます。
    ウクライナの大統領がヒゼキヤ王と被ります。祖国を守ろうと孤立無援の中
    必死になっている姿が( ; ; )

    六年くらい前に、訳あってプーチンさんに手紙を送った事があります。
    不当逮捕、監禁された仲間の釈放の嘆願書です。(世界中の仲間と一緒に)
    独裁者、独裁国家の権力は日本人には理解出来ないって思い知らされました。

    今はただ、誰もが美味しい物を食べ、温かくして安眠出来ることを願いますね。





    作者からの返信

    ハナスさん、コメントありがとうございます。
    戦争の話を読むときに、果たして自分がどこまで分かっていたのか...、今の状況を見せつけられて改めて考えました。現代と19世紀の戦争は違っても、誰が犠牲になるかといえば結局は同じですね。
    聖書でも、小説でも、先人が残したものから学べることはたくさんあるはずですが、繰り返さずにいられないのが人間なんでしょうか。
    プーチン氏や、彼のすることを非難するつもりのない国などを見ていると、仰るようにどうしても通じない、理解しあえないものがあると思い知らされます。
    コメディとして書かれた作品を取り上げるのに迷いましたが、コメント下さり、色んなお話を教えて頂けて嬉しいです。ありがとうございますm(_ _)m

  • 人間って本当に「滑稽」ですね。
    今も昔も。まさに笑えない滑稽さが身に沁みます。
    難しい戦争の話を、こんな風に語れるモーパッサンも柊さんも、やっぱり凄いです。

    作者からの返信

    ふうこさん、コメントありがとうございます。
    俯瞰で見れば本当に滑稽なことなんでしょうね。実際に戦争を経験した人の話には(コメディですら) 痛くて沁みるものがあると思います。
    モーパッサンが執拗に戦争の話を書いていることが、今こういう状況になってほんの少しだけですが分かったような気がします。
    デリケートなのは分かっていますが、先人の残したものを載せておきたく。お言葉痛み入りますm(_ _)m

  • いつものように、モーパッサン先生のブラックなユーモアに素直に笑えなくて残念です。日本にいて、TVやネットのニュースを視ているだけでもこれほど苦しいのに、国を二つしか隔てていない陸続きの地にいらっしゃる柊さんはどれほどのお気持ちでしょう。
    実は、偶々でしたが次の長篇のアイデアの中に「ウクライナ」という文字がありました。悩みましたが、つらいのと、扱いかねて消してしまいました。〈THE LAST TIME〉のなかにもウクライナからの留学生がいましたし、私は「ロシア料理と思われていたウクライナ料理」も大好きです。
    ロシアの兵たちも戦いたくなどないはずですよね。訓練だと騙されて来たというニュースも、真偽はわかりませんが読みました。ロシア軍の砲撃で、6歳の女の子が亡くなり、医師が「この状況をプーチンに見せろ!」とカメラに向かって叫んだというニュースも読みました。こうしてコメントを書いているだけでも本当にきついです。

    長々とすみません。一刻も早く、ニュースから「戦争」などという言葉を聞かない日が来てほしいと祈っています。このお話を紹介してくださって、ありがとうございました。

    作者からの返信

    烏丸さん、コメントありがとうございます。
    戦争の話というのは、平常時に読むのと、こういう状況を見せられる中で読むのとでは、感覚が違ってくるんですね。これを書くにあたって読み直すと、可笑しさより悲しさの方が勝ってしまいました。
    もちろん普仏戦争と今回の戦争は別物ですが、自分にはこのプロイセン兵のおじさんが、おそらくちゃんとした情報も与えられず第一線に送られているロシア兵と重なります。
    仰るとおり、戦争という言葉を毎日聞かない日が早く来てほしいです。
    デリケートなのは承知ですし、今回自分がこれを取り上げていいのか本当は迷ったのですが、コメントを頂いて励みになりました。ありがとうございますm(_ _)m