第6話

夏休みのある日ぼんやりと携帯を眺めていた。どうやら、今日は他のクラスメイトの誕生日らしい。

「おめでとう」の言葉が飛び交っていた。そして、その人宛のプレゼントがたくさん映っていた。

ふとその時思った。

何で、誕生日におめでとうと言いプレゼントを贈るのかと。

おめでとうと言うのはまだわかる気がする。だって、その人にとって誕生の日でありスタートの日だ。人が祝おうとするのは当然だ。

だが、何故プレゼントを贈る?

私が特に謎に思うのは両親がプレゼントを贈ることだ。

そして、貰う人もあたかも当然のように受け取っている。

誕生日って何なのだろうか。

一方的な感謝なのだろうか。私は違うと思う。

まず、誕生日の人が皆に

「ありがとう」と言うべきだと思う。

そう、誕生日は

「生まれてきてくれてありがとう」を言う前に、「産んでくれてありがとう」と言うべきだと思う。誕生日は互いが感謝する日なのだ。

産んでくれたのは当然。プレゼントをくれるのは当然。そんな事を思ってしまうのならもはや、プレゼントを贈られる資格はないと感じた。

のんて、思ってみたけれど私だって両親に

「産んでくれてありがとう」だなんて言ったことがない。

だけど、言われないといけない気がする。

照れくさいけど、ちょっと言ってみようと思う。

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ハル @Haru8903

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