第五十七髪 皆がため 恥をしのんで 大演出
演説が無事終わり、
「やりすぎましたな」
「ああ、
慎太郎の
今、人々が目にしている現実は、暗い。
すでに何日も空は暗く閉ざされ、
ついにその姿は、はっきりと見えるところまで
絶望の
だから、あのような演出をあえて行ったのだ。
「でも、我を使って雲にズドンと穴をあけ、さらに我のライトアップで目を
「……自己嫌悪だよ」
あんなに多くの人に頭部を見られたことは無い。
今後の人生でも一度もないだろう。
人の目力というのは、
もはや、視線で頭皮がチクチクするくらいであった。
「ふふ、慎太郎様。かっこよかったですよ」
「ええ。本当に」
「フモッ、フモーッ、フモーーーーッ!」
素直に
「……さて」
気を取り直す。
すでに群衆は解散し、それぞれの役割を果たすために行動を起こしている。
窓から見える大神殿のエントランスでは、いつもの天馬とクオーレが
「行こうか、世界を救いに」
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