第五十六髪 生涯に 一度あるかの 大演説
昼になり、大神殿前の広場には、多くの
決戦に
一部の兵士はすでに、黒き獣の群れから都を守る防衛線へと
が、この演説は
演説台の前に立つ慎太郎は深呼吸をすると、閉じていた目を開く。
そこから
一瞬の
「
「黒き神が復活してから、はや一月が流れた。皆においては、この
慎太郎は深く、深く頭を下げる。
そして、ゆっくりと顔を上げる。
誰もが、彼を
「だが、一方でここに至るまで命を
目を閉じ、静かに祈る。
ゆるやかに
「彼らの
慎太郎は頭上を
そこから
広場全体がまぶしく
そして、次の瞬間。
「お、おおお、何ということだ!」
「大神官様の頭に、黒々とした髪が……!」
「あんなに
「これが、大神官様の、神の力……! まさに奇跡じゃ……!」
群衆からどよめきが上がり、次第に
「大神官様! 髪があるとなんて男前なの」
「ねー、大神官のおじちゃん、ハゲてないとかっこいいねー」
「
次々と
「と、このように。我らには白き神カピツルがついている! さらには、ルピカよ!」
「はっ!」
慎太郎の声に応じ、彼の前に白く輝く
「あれは、伝説の
「おとぎ話だと思っていたが、本当に存在したのか」
「勝てる。勝てるぞ……! 我々には神がついている!」
群衆のボルテージは上がっていく。
慎太郎もその熱を受けて、声を高らかにして、
「皆の者! 我々は必ず勝つ! この戦いに打ち勝って、明日を迎えよう!」
さあ、開戦だ!
そういうと、慎太郎は
その背中にはいつまでも、彼と神を称える祈りと願いが舞っている。
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