第四十九髪 我が娘 そんなに泣くな 父はいる
上から何か、熱いものが顔に降り注ぐのを感じて、慎太郎は目覚めた。
「む……、むむ」
慎太郎の視界に入ってきたのは、泣きじゃくる
コスプレのメイクで、
それも涙でぐちゃぐちゃになっており、
「パパ……、ううぅ……」
視界の
まだ、何とも言えぬ不快な
が、それよりも、目の前の小さい頃と何も変わらない涙を浮かべる愛娘を落ち着かせようと、頭を撫でる。
と、自身も少し若い頃、向けていたであろう笑顔を浮かべ、そっと声を掛ける。
「りーちゃん、大丈夫。パパはここにいるよ」
「ほんと? どこにも行かない? いっちゃやだよ」
すがり付く娘を見て、申し訳なさで胸が
そして、――道半ばで帰ってきてしまったことも、それをさらに増幅させる。
ただ、今はこの極端な疲労感でまともに動かない身体を休めつつ、莉々の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます