第二十二髪 苦難越え 大地のカミと いざさらば
一行は何とか入口の門の外へ転がり出る。
最後には鎖を
爪先をかすめたのか、慎太郎の服の背中部分は引っかけたような跡があり、縦に大きく
まさに、
しばらくして怪物が諦めて去っていくのを確認し、
意外なことに、それは少し
そこに言葉が続く。
――偉大なる大神官クン。よくぞワラワの庭を破った。
その方法はいまいち良く分からぬが、実に見事だ。
いつかワラワの力が必要な時は、いつでも呼ぶといい。
では、さらばだ。
最後に例のゲハゲハ笑いが鳴り響くが、その声は風に流され、霧散していく。
そして、暗い回廊の奥で、小さな砂色の長い髪をした女の子が笑顔で、慎太郎へ向けて手を振っている。
……ような気がしたのだが、次の瞬間、その姿は消え去っていた。
慎太郎は
「さあ、今度こそ本当に終わりだ。帰ろうか」
と、笑顔で言うのだった。
天馬は夕暮れの空を駆けていく。
その
大巫女は疲れたようでうつらうつらとしている。
クオーレはというと緊張の糸が切れたのか、手綱をゆるく
天馬は賢く、彼女の手ほどきがなくても都への
マリーナはぐったりと座り込み、クリームのもこもこ毛皮に背中を預けながら、尋ねる。
「シンタロー、聞いてもいいか」
「ああ」
「どうして帰り道が分かったんだ」
慎太郎は数日後には筋肉痛確定の腕や足を揉みほぐしながら、答える。
「
「かみ……」
「ほら、行きは奥への道を
そう言って重たい腕を動かし、頭頂を指す。
そこは朝より一層肌色が増していて、荒涼としている。
「抜け落ちたものが点々と床に散らばっていた。それを
「……そういうことか」
「ま、博士とは同じ手法だったわけだ。
大地神に気づかれたら危ないところだった、と笑う。
だが、もう終わったことだ。
何より、みんな無事で、こうして帰ることが出来ている。
「……シンタロー」
「なんだ?」
「その。ありがとう」
「……こちらこそ。ありがとう、博士」
夕日を背にしたマリーナの表情は良く見えない。
だが、
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