第二十四髪 いざ西へ 風そよぐ旅 潜む陰
ハーピィの里は遠く、この速度で数時間はかかるとのことだった。
途中、安全そうな場所に降り、小休止を
とはいえ、空の旅は思いのほか快適だ。
荷台もヤナギノクのおかげで、完全に
また、今回の荷台は少し大きめのサイズのものとなっており、半透明の
これにより360度大パノラマの景色を
しかも防風対策にもなるので、頭部に余計な心配をせずにすむ。
時折入ってくる
賢い天馬のおかげで
そんなわけで、こうしてカプラのクリームを囲んでコーヒーブレイクならぬミルクブレイクの時間をとることも、特に問題は無さそうであった。
「それで、ハーピィ族というのは、実際どのような者達なのかね」
「彼らは、昔は私達とよく貿易をしていた
「ふむ、人……ではないのか?」
「翼を持った人という感じでしょうか。不思議なことに、その羽の色が人によってまちまちなのです。話によると、親子兄弟でも違うのものらしいですわ」
「なるほど……」
慎太郎の脳裏に浮かぶのは、例の凶悪そうなイメージだ。
「それでどうするんだ。その、……やはり戦ったりするのか」
正直、
それはただ戦うということだけではなく、生き物を傷つけてしまうということに対する恐ろしさも
より人に近い
そんな慎太郎の気持ちを察したのか、大巫女は大丈夫ですよ、と
「ちゃんと話し合いでやり取りします。彼らの持つ
それは、かの先代大神官も
そして何より、黒き神と戦うための『切り札』を使役するためにその
「ただ……うまく
大巫女の表情は
何か事情があるようで、詳しく質問しようとするそのタイミングで、御者台に戻ったクオーレから声が上がった。
「着きましたよ!」
天馬は所々にある
夕焼けを前にほんのりと
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