4章 Eden Echo
4章1話 - エピローグ
「わあっ、おかあさん! 見て見て! 桜が咲いてるの!」
「あら、本当。もうぜんぶ散ったと思っていたのに。桜の生命力ってすごいのね」
「やった! 今年まだ花見してなかったんだよな。いつものメンバー集めてやろうぜ!」
「
「くそっ、なんで今日にかぎってスマホ家に置いてきたんだオレは」
暖かい春の陽光がきらきらと輝き、あらゆる色彩を
自分ひとりでは決して有り得ない、
「……カインも行ったようだな、
「ヒロが起きるまで待てばよかったのにね」
「照れくさいんだろ。そういう男だよ、あいつは」
ぼんやりしていると、聞き慣れた声と、聞き覚えのある単語が優しく耳に転がり込む。
「おかえり、親友」
「おかえりなさい、ヒロ」
「……ただいま、ナオ、シャロン」
やわらかく
この
ただひとつ例外があるとするなら、それは心を得てしまった〈神々の門〉だろう。
それは世界再構築という名をした精神汚染。楽園の名を
ゆえに〝ヒロ〟は望まない。
誰かを傷付けてでも、生きていく。
誰かに傷付けられても、前に進みつづける。
皆守紘として生きていくことをやめたりしない。
楽園を追放してでも。
楽園追放Ⅰ 僕の儚くも浅ましきイデア 高坂悠貴 @sinshockjack
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