※このレビューは、9月1日現在の最新話「43 鍵を握るのは……」までを拝読した時点でのものになります。
全体的にすっきりとした文体で非常に読みやすいというのが大きな評価ポイントになると思います。
一方で主述の捻れ等のケアレスミスはほとんど無く、投稿小説にありがちな「まず日本語の文章として成立していない」という事態には決してならない。
時折挟まれる風景や仕草の描写の、情景が目の前に浮かび上がるようなわかりやすさからも、作者様の確かな日本語力が伺えます。
何より各話の繋ぎ方が秀逸で、思わずシームレスに次の話へ進んでしまうという「繋ぎ」の技術には目を見張ります。
物語の内容としては、(あくまで現時点では)ある種異世界ものの王道っぽさはありますが、マンネリな感じはせず、読み始めやすいという「王道」の良さのみを上手く利用されていると思います。
いい意味での「王道」ストーリーと確かな描写力。
かなりクオリティの高い作品になるのではないかと思います。
ライトノベルという形式の良さを詰め込んだような、手軽に、かつ確実に楽しませてくれる作品です。
丁寧な描写に裏打ちされたイディちゃんのかわいさ、垣間見える笑いのセンス、いいアクセントになるシリアスな要素等、素晴らしいところがたくさんあります。
今後の展開も楽しみにお待ちしております。
長文にて失礼いたしました。