『行っちゃったね』


「行っちゃいましたね」


『眠らせるまではよかったんだけどなあ。起き上がってから記憶戻すの早すぎない?』


「さすが巫女、なんでしょうね」


『というか巫女って、そんなもの存在しないし』


「え?」


『いないよ。巫女の血族はみんないなくなったの』


「へええ。じゃあ彼女は」


『天然物の、巫女に似た能力の持ち主』


「そうなんだ。彼女に言ったら傷つきそう」


『だね。プライド高そうだし』


「そこも巫女っぽくないというか」


『まあ、アルバイトよりは良いでしょ。能力持ちだし』


「そんなもんですか」


『そんなもんよ。またチャンスがあったら言ってよ。連れ込み神社は情事を常時歓迎しております』


「あはは」


「ねえ、何してるの」


「ごめんごめん。すぐ行く」


『わかいって、いいねえ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

fx4 春嵐 @aiot3110

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ