最終話 マッスル南国

 テレレッ♪テレレッ♪テレレッテッ♪Hey!!

 寿司寿司寿司寿司寿司 好き♪

 ファッキュウさん♪


「どうしたというのじゃファッキュウは?」

 怪力無双、脳筋のファッキュウさんが、知恵で問題を片付けた昨夜の出来事を飲み込めていない和尚が首を傾げる。

「何か悪い物でも食べたのでござろうか?」

 ゴリラ侍こと新右衛門も首を傾げているが…こちらは狭い棺桶に押し込められてことで寝違えただけである、考えるということにおいては本家のゴリラに劣る男である。


 本堂にはファッキュウが書いた『し』の一文字。


「グッバイ…って…まさか‼」

 和尚がハッと顔を上げる。

「オッパイのことでござるか?」

 新右衛門が両手を突き出しモミモミと指を動かす。

「まさかファッキュウ…死ぬつもりじゃ?」

 和尚が神妙な顔でマリア像の方を見た。

「揉むつもりでござるか?」

 ゴキンッ…

 和尚がいい角度で回し蹴りを放ち、新右衛門の寝違えた首が逆に曲がった。

「アガッ‼ ……ん? 治ったでござるよー‼」


 ………

「ファッキュウさん?」

『暗黒寺』を離れたファッキュウさん、開店前のキャバクラ『奇凶夜』を訪れていた。

「コレを…皆に」

 懐から取り出した、色とりどりのパンティ。

「今さら? コレは王様ゲームでファッキュウさんに上げた、皆の生脱ぎ…ファッキュウさんの大切なコレクション…」

 やよい嬢が何かを察する。

「思い出…ね…こうして嗅ぐと、皆の顔が……コレはさよ嬢…これはさや嬢…そしてコレは…」

 派手なパンティを手に取り顔を覆うように押し付け、大きく深呼吸するファッキュウさん。

「やめて‼ 色んな意味で‼ 何があったのファッキュウさん」

「やよい嬢…忘れないYo、この匂い…一番、臭いがキツイ」

「ホントにやめて…ナックルパンチが火を噴くわよ…」


 痛む頬を摩りながらファッキュウは崖の上に立っている。

「船越が好きそうな場所ね…」


「ファッキュウ‼」

 後ろから呼ぶ声…

(まさか…英一郎?)

 振り返るファッキュウ

(なんだ…いつもの面々かYo)

「死ぬつもりか?ファッキュウ」

「まさかね…ミーは旅に出るYo…」

「なぜ?」

 やよい嬢の問いにファッキュウが笑顔で答えた。

「飽きたの…ミー…新しいキャバクラを探しに行くのYo グッバイ‼」

 崖から海へダイブするファッキュウ。

「待って‼ ツケは? ツケは誰が払うのよーーーー‼」

 全員が叫んだ…

「FUCK YOU!!!!!!!」


 こうして海に消えたファッキュウさん…1か月後、名もなき島に辿り着く…

「ここはどこYo?」

 褐色の肌の少女に尋ねるファッキュウさん。

 ニコリと笑った少女

「アローハ~」

 花の首飾りを渡されたファッキュウさん。

 数年後…カメハメハと名乗るガチムチの風俗王が島を統治したという。


 HAHAHAHAHA‼


 ファッキュウさん♪

 テレレッテッテHey!!



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室町異伝 パンチ入道ファッキュウさん 桜雪 @sakurayuki

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