第10話 マッスル長い字
テレレッ♪テレレッ♪テレレッテッ♪Hey!!
寿司寿司寿司寿司寿司 好き♪
ファッキュウさん♪
「というわけで、スッキリしたでござるよ」
ショーグンさんに楽し気に昨夜の顛末を話す新右衛門。
金のないゴリラ侍が、ツケで遊ぶ和尚をファッキュウが懲らしめた話にイラッが沸き上がるショーグンさんである。
「新右衛門…貴様、ファッキュウに手助けして貰って何その態度? 余はファッキュウにギャフン言わせろと行ったはずじゃが?」
「……和尚がギャフンでござったな…」
「バカ者‼ もうよい、貴様には頼まぬわー‼」
こめかみの血管ブチ切れで怒鳴り新右衛門をキャッスルから追い出される新右衛門。
「拙者…無職でござる…」
飼われゴリラから野良ゴリラとなった新右衛門…腰の刀はすでに竹光…やたらと軽い腰回りに悲壮感が漂う。
「もう…死のうかな?」
なぜか足は『暗黒寺』へ…
「ファッキュウ‼ おるか?」
「あん? なんじゃゴリラ侍か…ファッキュウならおらんぞ、あのバカ、朝帰り…いや昼帰りじゃ…まったく…」
和尚が出てきてブツブツ文句を言いつつ、カシューナッツをボリボリ食っている。
「拙者、ファッキュウをギャフン言わせないと帰れないでござる…」
「知るか‼ このボケ、オメェ昨夜の事忘れてねぇよな? あん?!」
「和尚…拙者に力を…知恵を貸してはくれまいか?」
ガバッと土下座する新右衛門。
「……ファッキュウに灸を据えるついででよければ…いや、ワシに何の得がある?」
「何でもするでござる‼ 金はないが……和尚…この動画と引き換えでどうでござろうか?」
懐からスマホを取り出し動画再生…
「ムホッ…コレは…嬢達の…プワァ~んティィラではないか‼」
「拙者の全財産でござる…コレで…ひとつ」
再び土下座する新右衛門こと盗撮犯、もう落ちるとこまで落ちている。
「よかろう…これからも、よろしく頼めるのなら…協力しよう」
クソみたいな同盟が誕生したアフタヌーン。
とりあえず棺桶を指さす和尚
「新右衛門、オメェ、その中で寝とれ」
「御意‼」
「ファッキュウ、新右衛門が死んだ」
「マジDEATHか?」
二日酔いのまま帰宅したファッキュウに告げられたゴリラの死。
「そこでな…貴様、ココで新右衛門が成仏できるような経を書け」
「なんで?」
「貴様も坊主の端くれじゃろう‼ 誰もがありがたいと思う経を残すのだ‼ ワシが認めるまで、本堂を出る事まかりならん‼」
「わかったよ…書いたら遊びに行くYo」
「書けたらな…」
クソ長い巻物を渡されたファッキュウ
「コレを埋めるほどに経を書くのだ‼
「解った、解った」
筆をとり巻物を広げるファッキュウ、クソ長い紙に墨でズズズッーーー‼と1本線を引いた。
「できたよ、遊びに行くYo」
「待て、なんじゃコレは?」
「Boss…コレは『し』Yo」
「はっ?」
「いいかよく聞けよ、Boss 人は死に向かって歩くのよ…誰もがソコへ行くの…長い経に意味は無いのYo たった一文字、それが、この世の全てね…そういうことYo」
いつになく、ソレっぽいことを述べるファッキュウさん。
「うむ…ん? えっ? そうなん?」
思わず頷く和尚。
本堂を去るファッキュウ。
「グッバイ…Boss」
「うん…グッバイ?」
棺桶の新右衛門…が呟く。
「筋肉…関係ないやん…」
HAHAHAHAHA‼
ファッキュウさん♪
テレレッテッテHey!!
次回、感動の最終回お楽しみに‼
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