きみと、ふたりで育てる恋

こと

じめっと、からっと

暑い梅雨明けの夏、僕は秘密を同級生知られてしまった。

これは僕が綴る、僕だけの願いを    日記だ。



あっつい…梅雨のじめっとした天気から、なんでこんな急にからっと暑くなるんだろう。科学を勉強したって一生理解のできない問題だ。

そんな業火のように暑い時に水やり当番に当たるんだろうか…とても運が悪い。

そもそも夏休みに学校に来るというのが、もう無理だ。

僕の体質的にこのような日は地獄なのだから、先生も他のことをさせてくれれば良いと思う。あまりやりすぎると贔屓だと思われるから程よくね…。


おわっったー!疲れたー!!めっっちゃ暑い!!

普通の学生はなんでこんな暑い日に外で遊ぼうと思えるんだろう…

僕がこんな日に外に出たら入院じゃすまなくなって召されてしまう…。

僕がもっと元気で社交的だったら、何か変わっていたんだろうか。

素敵な恋とかできて将来好きになった人と誓い合ったり、キスしたり愛し合うことができたんだろうか。

ダメだ…たらればしたって気持ちが暗くなるだけだ。

あれ?待て、気持ちだけじゃなくて気分が本当に悪くなってきた。

最悪だ。先生恨んでやる……。


だからこんな夏の暑い日は嫌いだ。碌な、こ、とが、ない。

誰か、が僕、に話しかけ、ている…ごめん、なさ、い…こ、えが、出、ない……



んー…今は何時なんだろうか…。外が暗い…、朝だったから九時間ぐらいか

…?? というか膝が重い…、なんか………人がいる。

運んでくれた人??に、してはすごい小さい…気がする。僕を運べたとしたらそれはそれで……うん、考えるのやめよ……。

「あのー…」

肩を揺するが、揺するだけじゃ起きない…揺すりまくるか、声を大きくしてお礼を言うか…。

「おはようございます!!助けてくれた方ですか?!助けてくれてありがとうございました!!」

あっ流石に起きた…。なんか震えてる……?

『んっ…ふふっどういたしまして、とても声が出るようになったぽくて良かったです(笑)』

あっかわいい…そしてめっちゃ恥ずかしい……。揺すりまくるの選択肢を取ればよかった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きみと、ふたりで育てる恋 こと @koto__0

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ