夜の老・女神

我良 優

第1話 今日は、豊作。彼女は一段と輝く

私は年金暮らしの老女。だが、見た目は50歳台くらい若く見えるので、年を聞いたら驚くだろう。

 私は最近もっぱら、梅木田駅前のスーパーをひいきにしている。

なにせ、夜の8時半になると一斉に半額シールを貼りだすのだ。

 皆、思い思いの品を手に、8時半になると、女神の前に一列に並ぶのだ。

彼女は朗らかで、小柄で、まるで日向で笑い転げる少女のように目をくるくるさせ

、一人一人から丁寧に品を受け取り、これはおいしいのよ などと会話しいしい、恭しい手つきで、値引きの半額シールを張っていく。

 隣にいた中年のサラリーマン風の人は、少し恥ずかしそうに商品を彼女の前に差し出した。

 あら、これ、酸味が強いけど、そこが癖になるのよ。私もよく買うの。そういって彼女はにっこり笑う。なんと美しい。まさに、彼女はこの店の女王様。

 我々はお慈悲にすがる下僕のようだ。。

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夜の老・女神 我良 優 @wolds333

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