第9話 木霊する二つの悲鳴
俺は、ハイテクスキルさんの言うとおりに後ろを振り向き手を思いっ切り突き出した。
そして、俺の手は何かとても柔らかい何かに当たった。
と、思った瞬間。
キャアアアアアアアアと言う声が聞こえたかと思うと俺の顔に物凄い衝撃が走り俺は宙を舞った。
そして、そのまま俺の体は数秒宙を舞った後地面に落下した。
「ぐへっ」
と、俺の口から変な声が出た。
「オイー?生きてるかー?」
とハイテクスキルさんの俺を心配している・・・いや、多分していないだろう。
そんな声が脳内に響いた。
「大丈夫に見える?ねえッ!?あと、寒いッ!!!」
と、バッと体を起こし抗議した。
「あの・・・すみません。大丈夫・・です・・か?」
と、またどこからともなく声がした。
俺は、首を右へ左へブンブンと振りながらその声の主を探したがその声の主どころか人影すら見当たらなかった。
「だ、誰だ!?どこにいる!?」
と俺はそう叫んだ。
「あ、すみません・・・。ちょっと待っててください・・。」
と申し訳なさそうな声が響いた。
「あ、はい。すみません。」と謝る俺。
そして、俺の目の前に青い髪をした少女が何の前触れもなく突然現れた。
「うわあああああああ!!!!」といきなり目の前に現れた少女にびっくりして叫んでしまった。
いや、だって・・・いきなり目の前に現れたら誰だって驚くだろ?
そして、そんな俺の声に驚いたのか少女も「きゃあああああああ!!!!」と驚きの声を上げていた。
そして、二人の声が洞窟内に木霊した。
元の世界に戻れなくなったので、仕方なく異世界に召喚されます。 窓カラス @madokarasu
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