第8話 後ろを振り向き、宙を舞う。
「で、ここどこよ?」と黙々と歩いていた俺は、立ち止まり。
ふと呟いた。
辺りを見渡すが今まで通ってきた風景と同じような感じが広がっていた。
「え?何?俺ここでずっと彷徨って死ぬの?ねえ!?」
「うるせーよ!!少しは、黙っていられないのか!?」
怒られてしまった・・・。しょんぼり。
「よし、わかったぞ。」
「何が?」
「ここが、どこなのか。」
「どこなのさ?」
「ここは、アテルミア山脈だ。」
「あ・・・あてるみあ?」
「ああ、とても寒い地域だ。」
「俺、寒いの苦手なんだよねー・・・」
と、体をブルブル震わせながらそう、心の中で呟いた。
「あ?いや、知らねーよ」とハイテクスキルさん。
うわ、冷たい。まあ、実際冷たい・・・というか寒いんだが。ここ、気温低いし。
はぁ・・・ホッカイロが欲しい・・・。という火が欲しい・・・。
「オイ・・・。気をつけろ」
「な、なにさ?」
急に真剣なトーンでそう呟いたハイテクスキルさんの言葉にほんの少しビビッてしまった・・・。
「何か・・・居るぞ」
「お前のすぐ後ろだ・・・!」
と、その言葉を理解した途端に俺の心臓は大きくバクッと跳ねた。
「!?」
「バカッ、落ち着け・・・!相手に気づかれる・・・!!」
その言葉に俺は、静かに息を呑みつつバクバクッと跳ね上がる心臓をなんとか元に戻そうと静かに深呼吸をしつつ今、現在俺の後ろに居るであろう、ナニかに気づかれないように平静を装いつつ俺は、歩きながらハイテクスキルさんにどうしたらいいか尋ねる。
「とりあえず振り向き・・・攻撃しろ。先手必勝だ。」
・・・・・え?
「いや、待って!待って!!攻撃って何すればいいのさ!?具体的に言ってくれないと俺わからないよぉッ!??」
「あ?そんなの自分で考えろや!!!」
怒られてしまった・・・。
と言うか、ホントに俺の後ろに居るのか?ホントはいないんじゃないのか?
「オイ?どうした?何ぐずぐずしてる?やらなければやられるぞ!?」
「なぁ?本当に居るのか?」
「あ??お前・・・俺のこと信じてないなぁ!?」
「・・・・・。」
「信じてるさ!」
「オイ、今の間はなんだ!?」
「いいから俺の言うとおりにしてみろ!後ろを振り向いて手を突き出せ!そこになにか居る!嘘じゃねーから!!!」
と、なんか向きになったハイテクスキルさん。
「いや、その通りにして手を突き出してもし俺の手が無くなっ・・」
「無くならないから」
「ホントに?」
「ああ、俺を信じろ?」
「わかった・・・じゃあ、やってやる!」
まあ、ずっと俺の後ろをナニかがもし、ずっと付いてきているいるのであれば不気味なのでここで一度、確かめてみるのもいいだろう。
ハイテクスキルさんの勘違いかもしれない。
俺は勇気を振り絞り後ろを振り向き手を思いっ切り突き出した。
そして、俺の手は何か柔らかい物に当たりとまった。
キャァァァァァァァァ!!!!!!!
と、今まで静かだった洞窟内に女性と思しき声が響き渡りそれと同時に俺の顔に物凄い衝撃が走ったと思ったら俺の体は宙を舞っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます