8話 修業

「光がエムの弱点………」


リンは深々と言った。


「だから傷が完全に再生されてない……」


ユウもどこか納得するようにポツリと呟く。



「ごちゃごちゃ言ってねーで、弱点分かったんだ。他の村の調査隊を集めて、ヤツを倒しに行くぞ!」


ゼンはやる気に満ちた顔で言った。


「待ってください!ゼンさん!!!」


リンはゼンを止めた。


「あぁ!?何が問題あるんだよぉ?」


ゼンはガンをつけてリンに詰め寄る。それを阻止するかのようにユウがリンとゼンの間に立った。


「みなさん、一度力をつけましょ!!!!」


リンは唐突に言った。



「どゆことだぁ!????俺たちが弱いってか!?疑うならサシでやるぞぉ!!」


ゼンは怒って今にでもリンにとっかかりそうだ。それをなんとかユウが抑えている。


「皆さんの戦力はここに来る道中にすごいことは重々承知です。特に皆さんの魔力の持久力は凄かったです!私はそこまで持久力ないです!皆さんと一緒にこなければ、この村にたどり着けなかったです……」


リンはみんなに尊敬の目を向けて言い、続けた。


「ですが、私も含めて今よりもっと強くないといけない気がしてます……。正直、アイツに攻撃できたのは、アイツを油断させることができたからです。でもそれは私が攻撃を受けて奇跡的に助かったからできたことです。アイツを倒すには、攻撃を受けるより先にアイツに攻撃できることだと私は思うんです!なので、短時間で攻撃できるように力をつけませんか!?お願いです!!」


リンは深々と頭を下げた。


「「「「「「………………」」」」」」


みんなは沈黙になった。


「今この中で実際に攻撃できているのは、リンちゃんだけだもんねー!いいよー!みんなでやろ!アイツを倒すのであれば、強くならなきゃ!」


最初に沈黙を破ったのは、ライだった。


「そうですね……。確かに。仮に今行って、倒せませんでしたー。は嫌ですね」


カインは苦虫を噛み潰したように言った。


「強くなったら、成長できますよー」


フウは楽しそうに言った。


「あー!!!やればいいんだろ!!やれば!!」


ゼンはイライラしながら言った。


「僕は見学~♪」


アギーはその場から離れようとした。


「おい。お前もだ」


それを見逃さないというように、アギーの襟元を引っ張るゼン。


「え~。僕討伐隊じゃないもん」


アギーはゼンの手をほどきながら言った。


「お前は討伐隊レベルの魔力あるだろ!軍に群れるのが嫌だから討伐隊入らなかったんだろ!?」


ゼンは手をほどこうとするアギーの手を取って言う。


「ゼン、それは言わない約束~」


そう言ってアギーはしぶしぶ、床に座る。


「アギーさん、そうなんですか?」


ユウが興味津々に聞いた。


「その話は追々♪」


しかし、アギーにはぶらかされた。


「みんな、ありがとうございます!早速修行を始めましょ!」


リンは意気揚々とみんなに伝えたのであった。




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ヴァンパイアに呪いをかけられた私は復讐することを決意する irohi @irohi

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