第7話 生き別れ

雄二実家


恵梨香:「呼びましたか お義父さん」

雄二父:「ああ。最近はどうだ? 二人とも何も変わったことないか?」

雄二 :「大丈夫」

恵梨香:「大丈夫です」

雄二父:「そうか ならば結婚式も順調に進めそうだ。」

恵梨香:「はい」

雄二父:「そしてだな。結婚式も終わり落ち着いたら 会社を渡す」

雄二 :「え?」

雄二父:「聞こえなかったか?お前に会社を渡すといっておるのだ」

雄二 :「はい…」


恵梨香:「よかったじゃないですか 雄二さんついに会社の社長ですね」

雄二 :「そうですね…」

恵梨香:「うれしくないんですか?」

雄二 :「いえ。うれしいです」

恵梨香:「そうですか。ならよかったです」


美香実家


美香母:「あら おかえり美香 ご飯できてるわよ」

美香 :「うん… わかった」

美香母:「どうしたの? 浮かない顔ね」

美香 :「大丈夫だよ気にしないで」

美香母:「そう… 何かあったら言ってね?」

美香 :「うん」

美香父:「ただいまー」

美香 :「おかえり お父さん」

美香父:「おお美香 帰ってたのか。」

美香 :「うん 久しぶり」

美香母:「お父さんも帰ってきたわけだし ご飯にしましょ!」

美香父:「そうだな」

美香 :「うん」


美香父:「そういえば一か月前 浩二が帰ってきたんだ」

美香 :「え!?お兄ちゃんが?」

美香母:「そうなのよ すっかり大人になってたわ。今は会社を経営してるんだって」

美香 :「そうなんだ…」

美香母:「そうねー美香は10年ほどあってないものねー あの子ももう30代後半だもの」

美香父:「東京にいるんだぞ? 美香はあってないのか。」

美香 :「うん」

美香父:「今度会いに行くといい 確か…どこだった?」

美香母:「秋葉原と聞いたわ?」

美香父:「そうだ そこに住んでいるらしい」

美香 :「そんなざっくりw」

美香父:「それもそうだな」


東京 秋葉原


浩二:「今月も緑字か よっかた」

秘書:「そうですね。そろそろ東京外にチェーンを出し始めてはいかがでしょう?」

浩二:「そうだな… 手始めに 長野はどうだ?」

秘書:「!? どうして長野を?」

浩二:「話してなかったか? 俺の故郷は長野県なんだ」

秘書:「え!?そうなんですか?」

浩二:「そうだ。ちょうどこの前長野に帰って土地を見てきたんだがいいところがあったんだ」

秘書:「なるほど。しかし長野県ですとニーズがあまり合わないかと。」

浩二:「そうか。なら長野展開はもう少し先だな 無難に神奈川や埼玉はどうだ」

秘書:「それはいいですね」

浩二:「では早速作業に取り掛かるか。」

秘書:「はい」


                               続く


番外編


13年前


美香母:「浩二…ほんとに行くのね」

浩二 :「ああ お母さん」

美香父:「気をつけろよ 何かあれば帰ってくるんだぞ」

浩二 :「わかってるよ… じゃあ、行ってきます」

美香 :「まって… お兄ちゃん」

浩二 :「美香… 起きてたのか。」

美香 :「お兄ちゃん もう行くの?」

浩二 :「ああ また来年だな 帰ってくるよ」

美香 :「うん。 これ持っていって」

浩二 :「これは…」

美香 :「お守り。学校で作ったの」

浩二 :「そうか。 大事にするよ」


現在


浩二 :「美香… また仕事が落ち着いたら帰るからな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ドロドロな恋をしてはだめですか ルア @himekoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る