第23話
夏休みも終盤に差し掛かった8月23日。
自宅の固定電話に連絡がはいった。
惰眠を貪っていると母さんに身体を揺すられて叩き起こされた俺。
「いつまで寝てんの、あんたは!友達から連絡がきて、あんたに用があるんだって。早く出てきなさいっ!」
「ああ......うん」
母さんを自室に残し、階段を下りてリビングに置かれた固定電話を手に取った。
「もしもし、佐久間ですけど......」
『冴島です。春仁君とデートがしたくて、今日は予定がないかな?』
「冴島さんっ!?でっでで、デートってあの?」
『そうだよ。春仁君の頭に浮かんでるデートのこと。ダメ......かな?』
「そんなっ!駄目じゃないよ、むしろデートの相手がこんなんで良いの?」
『ふふっ。こんなんって。春仁君の隣に居たい、春仁君と一緒に出掛けたいと思って誘ってるんだよ。春仁君と二人でデートに行きたいっ!』
「わっわかったよ、どこに集合するの?」
『集合場所はねぇ──』
こうして、
《終》
兄の前だけドン引きなことをする妹は人前では普通なのがこわい 闇野ゆかい @kouyann
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