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    終章への応援コメント

    面白かったです!
    文字数を感じずに(もちろんいい意味で)最初から最後まですらすら読めました。
    いつか読んだ「こんなにも優しい世界の終わりかた」を思い出しました。

    「幸せ」って呪いみたいなものですよね。
    人の数だけ「幸せ」なんてあって良いはずなのに、個人の「幸せ」は社会の「幸せ」と無関係ではいられない。
    「幸せ」ってこういうものでしょう?って押し付けてくる社会の同調圧力によって個人の「幸せ」すら規定されてしまう。
    作中では、もうすぐ世界が終わることが決まって、「幸せ」を測る社会のものさしに意味がなくなってしまった。壊れてしまった。
    人はそこで初めて、自分にとっての「幸せ」を自分で確立する必要性に気付く。
    なんとかして「幸せ」を測るものさしを見つけようと試しては、これも違うあれも違うを繰り返して、涙も出ないくらいに虚しくなってしまう。

    どうして人はもっと切迫して生きることができないのでしょうね。
    もしかしたら明日世界が終わるかもしれないのに。死んでしまうかもしれないのに。
    なんとなく手を離した誰かが自分にとってかけがえのない人である可能性とか、だらっと過ぎていく日常が自分にとっての「幸せ」である可能性を、考えることができないのでしょうね。

    最後に邪推を。
    主人公はきっと、わざと彼女の情報を誰にも分からないようにしか言わなかったんじゃないかなあ。
    本当は、名前も声も姿も、全部思い出すことはできていたのに、あえて誰にも分からないような主観的なことしか言わなかった。
    誰にも知られないっていうのは、干渉されないってことだから。自分だけのものってことだから。
    「幸せ」を自分のものさしで決めることができる彼女と、ありふれているけどかけがえのない時間の中で、世界にふたりぼっちになりたかった。
    そんなガラスの国の中で「シュウマツ」を迎えたかったんじゃないのかなあ。