自主企画に参加させていただいている者です。
主催者様がどのような作品を書かれるのかと思い、拝読させていただきました。
(興味本位のような形ですみません)
(それと、実は同じ企画でご一緒したことがあったり、講評系の企画で御作の評判を見聞きしていたりなどで作品名は存じ上げておりました。宗教名を変更されたことなども)
どうしようもない事態に、どう向き合うかについてを、正面から描いた「これは一味違う」作品だと思いました。だらけて読んでいたら何か申し訳なくて、きちんと襟を正さねばと、そんな気がしました(変な表現ですみません)。
近況ノートに第三話までの動きがない点について書かれていたので、私の個人的な感触を書いても良いでしょうか。
第1~3話を読んでいるときには、確かに動きはないと感じます。けれど、第12話までを読むと、冒頭の3話でミックの日常が描かれていることは重要だと思いました。
彼が、隠れるように住んでいることはふたつの宗派の関係をよく表していると思いますし、物語の初めに事件が起きてしまい、「主人公はどのような人物なのか」を読者が掴めないままに話が進んでしまうと、読者にとって「遠い」感覚の主人公になってしまうと思います。
ただ、「掴み」が弱いというのは感じました。
それは、頑なに神を信じるミックは、私にとっては「共感できる主人公」ではないからです。
「共感できない彼」の物語を読んでいきたいと思うかというと、それほどでも……となってしまいます。
「掴む」冒頭にするために、事件を起こす、というのは、ひとつの手段なのかもしれません。
けれど、それでも、私個人としては、ここはミックという、頑なに神を信じる彼の姿を読者に印象づけるほうが、作品にあっている気がします。
彼が頑なだったからこそ、事件が展開していくのだと感じたからです。
共感できなくても、彼という人物や、この物語の置かれている状況について興味を持つことができれば良いのではないかと思います。
また、第二章ではレイヤを中心に始まりますが、彼は共感しやすいです。
勿論、ここまで読み進めているのですから、この世界のことを理解しているから、すんなり入ってきやすい、というのはあると思います。しかし、やはり、ミックとレイヤの性格の違いは影響している気がします。
まだまだ、これから世界が広がっていく作品、ここからが始まりだと感じました。
捕まってしまったミックがどうなるのか。レイヤやフィランは、どう関わってくるのか。気になります。
それから、第5話に1箇所「パン教」のままになっているところがありました。
「ミナの兄に対しては怯んで何もできなかった自分が、パン教徒という卑劣な連中には~」
という部分です。
長々と差し出がましく、失礼しました。
ご不快に思われたら申し訳ございません。
執筆と企画、頑張ってください。
作者からの返信
静流さん、こんにちは。
この作品をここまで読み込んでくださってありがとうございます。こんなにたくさん感想や考察を書いてくださって……。素敵な読者さんに恵まれたことに感謝しています。
本作がいわゆる「気軽に読める」ライトノベルではないことは自覚しています。ウェブ小説の形態にはあまりそぐわないことも……。それでも静流さんに読んでもらえて、何か胸に残せるものがあったのなら嬉しいです。
「パン教」……痛恨のミスですね。直しました。ありがとうございます。
第一話~第三話についての考察、本当にありがとうございます。
静流さんのご意見を受け、ミックの日常を先に記しておくことに自信をもらいました。それと同時にひらめいたことがあります。第十一話の事件を、第三者語りにしてプロローグに配置するというものです。こんなプロローグが、第一章の前にあったら読者の掴みにつながるでしょうか?(下書き共有機能を使います。静流さん以外の方でも読んでもらって構いません)
https://kakuyomu.jp/shared_drafts/0FThpiIbARepFmr2PGqaKnFmowGza64X
貴重な意見をいただけただけでもありがたいのに、さらにお時間を頂戴するお願いをしてしまい申し訳ありません。もしよろしかったら、目を通していただいて、近況ノートもしくは他のエピソードのコメント欄にご意見いただけたら幸いです。
世の中全体が厳しい状況の時は情けに訴えても効果ないんですよね。
日本も敗戦した時は、弱者である困窮した女や子供に救いの手が伸ばされなかったと聞きますし。
作者からの返信
おっしゃる通りです。慈悲って、自分に余裕のある人にしか見せられないものなのかもしれません。