第3話 永遠 奉枷

ナルナと名乗る不思議な少女は

どうやらナンパではないようだ。



こんな場所に1人でなにをしに来たのだろうか。


「え~っと、ナ、ナルナさんは、

こんな所で何をし...... 」


『 ねぇキミ、もしかして男の子? 』

え!? 急だな...

「 えぇぇ~ そんな貧弱に見えますか? 」


突然すぎる質問。

意味不明な言動。

もしかして、

僕は、からかわれているのだろうか。

それとも、ナルナさんは天然の人なのだろうか。


「男子中学生ですけど。」

「ナルナさんは、どうし.... 」

『 えへへ、そっかー キミ、 男の子なんだね 』


妙に にやけるナルナさんを不審に感じる僕。


「 あの......ナルナさんは、ここで何を? 」

『 んー なんだと思う? キミが当ててよ! 』

「 たぶん僕と同じで天文学部とか ?」


『 あー、うん うん そんなとこかな 』


「 へぇ ナルナさんも そうなんだ 。

なんか、仲間がふえるって嬉しいな 」


バッ)))))


ナルナさんの顔が急に目の前に現れた。


『キミ!私とお付き合いしょう!』

「へ?」

ギューーー



ナルナさんが凄い力で僕を抱き締めてきた。


もしかして、ナルナさんって変な人?

つまり変態?!


僕は関わってはいけない人と出会ってしまったのかもしれない........。

頭が真っ白になりかけた


そんな時だった。________


バッシーーーン


『ゴルァ!何やってんだッ!!!』


「な、...ながえい?」

燃え盛る赤い瞳に鬼の様な形相で走ってきた永遠が、ナルナの頬を全力でひっぱだいていた。


『お前っ!!よくも よくも!この変質者!』


何故か怒っている

永遠はナルナの髪を引っ張り上げて

僕からナルナを引き剥がす。


『きゃん いたーいぃ』

「な、永遠 あの、ありがとう。」

ギロリ


永遠の顔は険しいままだ。

でも、取り敢えず この場は平和的に対処したい。


「まったく永遠、落ち着いてくれ。」


『!』


「え~っと、そう、たぶん永遠は勘違いしてるみたいだけど、.....ナルナさんは、僕らと同じ他校の天文学部で、ただ星を観測していただけで、うん。たぶん帰国子女なせいでコミュニケーションが過剰過ぎるんだ。そうだ、そうなんだよ。」


『分かったわ。』

「永遠」


『アンタがそう言うのであれば、アタシは信じるし。許す。』

グッと永遠は、何かを我慢するように

大人しくなった。


ナルナは、うきゅー とその場に

へたりこんだ。

「ナルナさん?大丈夫ですか」


『えへ だいじょーぶ 助けてくれて

ありがとう!!〇〇〇』


「えっ?」

僕、名前名乗ったっけ?

そんな疑問がよぎる僕を後目に

ナルナは、パァと花が咲く様な明るい笑顔を僕に向けるのだった。


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夜の迷い人(ナイト ロスト パーソン) 猿市羽居 かめ @sarusibai

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