人はそれを擬態とは呼ばない

 『僕は小説が書けない』は擬態をテーマに書いたつもりではあったのですが、全く人に伝わっていない、という事がわかってきました。

 あの作品の『擬態』については一言でまとめると次のようになります。


私は小説が好きではないけれど読書家に擬態している。


 感想をいくつか拝読させて頂いたのですが、小説が読めない、小説が書けない、といった部分は例外なく伝わっていたとは思います。しかし、それでも本を読む事や何とか文章を書こうとしていること、そしてそれこそが自分にとって擬態である。といった肝心な部分が全く伝わっていませんでした。

 原因は2つ考えました。1つは自分の筆力不足です。擬態要素がラブレターのインパクトに負けているのは否めません。また、これが自分にとって擬態であると明記するべきでした。

 二点目は擬態の解釈が間違っていました。擬態をしている自分の心境を書いたつもりではあったのですが、どうも人はそれを擬態とは思わないらしいのです。擬態とは客観的な事象である、といった点を失念しておりました。自身の心境だけで擬態を表現するには力不足であったと認めざるをえません。

 以上の点を反省し今後の執筆活動に挑みたいと考えております。評議員の皆様には分かりにくい作品を読んで頂きありがとうございました。


擬態

1 他のもののようすや姿に似せること。

2 動物が、攻撃や自衛などのため、体の色・形などを周囲の物や動植物に似せること。コノハチョウが枯れ葉に似せて目立たなくしたり、アブが有害なハチに似せて目立つ色をもったりすることなど。


参照:デジタル大辞泉


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第二回こむら川小説大賞1人反省会 あきかん @Gomibako

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