その後

 蝋燭をフッと消した。


「これで僕の話はおしまい。その後は無事に帰って来て、家に戻って寝たんだ。もう二度と、あの電話ボックスには近づかなかった。ありきたりな噂とは言え、都市伝説や恐怖体験を実践なんかしちゃいけないよ。本当に起こったら、どんなくだらない、つまらない話だって困るんだ。だって、巨大化して実現したら死人が出るのと一緒さ。誰だって死にたくはないんだからね。この話を聞いた人も、あの公衆電話に近づいちゃいけないよ。何かあっても僕は責任を取れないし、それに、責任を取りたくないからね。」


 飼い猫のミケがいつのまにか近くにやってきていた。これだから放し飼いの猫は。どこにでも入り込んでくるんだから。少し離れた位置で、ミケがずうっと喉を鳴らしているのが聞こえてきた。


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公衆電話 QAZ @QAZ1122121

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