ミイラ少年
宵闇(ヨイヤミ)
第1話
ある日のことだ。私達は部活帰りに将来について語りながら帰路を辿っていた。
すると隣に居た友人が『俺、200年後にミイラとして発見されたい』と言い始めたのだ。どうせ冗談だろうと自分の中で分かっていた。しかしそれを聞いた時に私の中に“将来の夢とは必ずしも何かしらの職業に就く事でなければならないのだろうか”という1つの疑問が浮かんだのである。逆にそれ以外に何があるのか、と思うのだが、これは純粋な疑問である。
確かに職に就く以外に何があるのかと問われると思いあたるものはない。だがそれは現実的なものだけの場合である。
私は彼の言ったそれも良い夢だと思った。その夢は現実的なものではないし、叶うかといわれると、それは無理だろう。例えばどこかの漫画の主人公のように海賊王になるということを言っても現実では無理だろう。それはそういう世界だから言えるのであって、私たちが生きるこの世界では難しい。ではなぜ私はそのような夢を良いのではないかと思ったかについて話そうと思う。
理由は物凄く単純なもので、どんなものであろうと夢を持つことは良いことだと思ったからである。真面目な夢も確かにいいとは思うのだが、少しは御伽噺のように夢のある、子供のような無邪気さのある、そういう夢を持つのはいくつになっても大切なことだと私は思うのである。
周りからしてみれば「いい歳して何を言ってるんだ」と言われるだろう。だが例えそうだとしても、私は誰もがそういった夢を持っていても良いとおもう。私自身がそれを持っているのかと問われると、正直分からない。このような職に就きたい、というものは確かにあるのだが、そのような夢しかない。だが極稀に夢想することはある。もし時が止められるなら、過去・未来へ行けるのだとしたら、というようなことくらい考えたりもする。
そんなこんなで、私は彼の「200年後にミイラとして発見されたい」というのが例え冗談であったとしても、いい夢なのではないかと思った。
____皆さんはどんな夢をお持ちですか?
ミイラ少年 宵闇(ヨイヤミ) @zero1121
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