女か男かは、記号でしか無かったのに。
中学校に入って、「私」はスカートを履くようになり、秋人は「佐藤くん」になった。
どんどん変わっていく距離。
気持ちも、他者によって別の形へと変わっていく。
それでも「私」は、それを受け入れられるには幼かった。
誰もが抱いたような思いを、見事に描かれた作品です。
離れてしまった距離。そして離れていく人。
目の前にいるかどうかは関係ないのです。「会いたいか」「会いたくないか」が、距離を決める。ーーと、有名な天才が言いました。
果たして、「私」である美冬が出した結末とは。