間違い
古い雑居ビル2階奥にある探偵事務所。
3畳と決して広くはないが空気清浄機も置いて花粉対策もばっちりだ。
が、未だ誰もこない。
たまにやってくる人と言えばこのビルのオーナー。
そのオーナーは窓から見える八百屋で、今日も蓮根を売りまくっていた。
しかしなんであの八百屋1日1種類の野菜しか売らないのだろうか…。
_b_ガシャッ_b_
やっと依頼者がきた!! 期待の眼差しでドアの方を見ると、そこに立っていたのはギターを背負ったおじいさんだった。
「…ひ……広いトイレだな…」
「ここは鼻津探偵事務所です」
キィィ…ガチャン…
おじさんは無言でドアを閉めた。
トイレと間違ってやってきただけで依頼人ではなかった。
というかなんでトイレと間違えるんだ…。
悲しく窓を開け八百屋の方を見るとそこには【完売】と書かれた看板を置く、緑ヘアーのオーナーの姿があった。
まだ12時なのに蓮根は売り切れていた。
キィィ……
ドアの開く音がしたので振り返るとそこにはさっきのおじいさんが立っていた。
「ええっと…ここはトイレではないですよ?」
「探偵事務所なんじゃろ?」
「ええ…まあ…」
「じゃあワシのギター探して…」
「え!? もっ!! もちろんです!!」
初めての依頼人はトイレと間違えたおじいさんとなった。
ぶうぇえっくしぃ!!
鼻づまり探偵〜鼻よ取れてしまえ〜 おこちゃま @ocochama
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