第1話のあとがき・お知らせ

 「第1話 藤の花恋」を最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

 こちらは、先の作品『九尾の花嫁』に登場するヒロイン、伊万里の出生秘話であり、母親藤花の恋物語です。

 話としては独立させているので、『九尾の花嫁』を読まずにこちらから読まれた方もいらっしゃるのではないかなと思います。


 この話は、もともと「二代目九尾という嫁ぎ相手が決まっていたにも関わらず、世話役の男と恋仲となり、伊万里を産んだ母親」という一設定でしかなかったものについて、私自身が「なぜ?」という疑問をぶつけ、そして、それに私自身が答える、まさに自問自答のような形で出来上がりました。

 おそらくこの話から先に書いていたら、この結末はなかったかもしれません。結果としては悲恋になるのだと思いますが、自分の信念を貫いて生きた藤花の姿を存分に書くことができて、作者としては良かったです。


 ただ、『九尾の花嫁』を読んで藤花の結末をすでに知っていた方、何も知らずに読み進めた方、それぞれ感想が違うのかどうか、ちょっと気になるところですね。


 そして、連載にあたり、更新ごとに読みに来てくださった皆さん、一気読みしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。pvやフォローが増える度、ハートや星が付く度に、書き続ける元気をいただきました。素人の書く文章に、よくぞここまでお付き合いくださいました。あらためてお礼申し上げます。


 さて、最後に「第1話 藤の花恋」の後日談を少し。

 このあと、伊万里は千紫が指名した乳母に育てられます。初音は端屋敷はやしきの出入り自由ではありますが、六洞りくどう家の正妻としての仕事があり、また侍女衆を束ねる奥頭おくがしらに起用され、思うように動けなくなります。

 兵衛は、父親と名乗ることを頑なに拒否し、守役である立場を貫きます。そのため、真実を知る数少ない者たちも、この件については誰もが固く口を閉ざすこととなってしまいます。

 一方、伊万里は、「母親は世話役の男と恋仲となり、出産のあと追放された」と乳母に教えられて育ちます。里中の藤花に関する噂も健在で、大きくなってからはその噂も耳にするようになり、結果、彼女は、「自分はいらない子」「母親は使命を忘れた不貞の女」という、ちょっと自己肯定感の低い子になってしまいました。

 そして十六才の夏、伊万里は二代目九尾が誰かも分からない状態で伏見谷へと嫁ぐことになるのです。


 大きく育った伊万里が、どんな恋をしていくのか。それは『九尾の花嫁』をお読みください! ( ´ー`)さりげなく宣伝。

『九尾の花嫁』~恋に不器用なあやかし二人が普通に恋するお話し~

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886283502

 こちらは、藤花の娘・伊万里と、現役高校生である妖狐の壬が繰り広げるじれじれな甘酸っぱい恋物語です。すなさとの書く物語なので、恋愛だけじゃないんですけれども。

 恋愛プラスが好きな方、ぜひこちらも読んでくださいませ。



◎今後の予定

 まだまだ「月夜の鬼」シリーズは続きます。

 そろそろ本編を書きたいような、書くのが怖いような……。

 どちらにしろ、もう少し話をまとめます。ノープランなもんで💦


 ちなみに、『藤の花恋』はまだ完結ではありません。

 このあと「第2話 深く芳し花の香よ、千のゆかりに咲く恋は」に続きます。

 はい、タイトルを見たら分かりますね。深芳と千紫、姉姫たちの話です。

 が、こちらの公開は、もう少し先。彼女たちの子供、碧霧と紫月の本編の構想をまとめてからにしたいなと考えています。(子供たちの話を先にするか、こちらを先にするか迷い中) ただ、姉姫たちの話は、そこそこ濃いです。わりとどろどろです。あ、ダメ? 知らない方がいい?? 

 これまた、私だけが書きたい作品になるかも。


 それでは、またカクヨムで会いましょう!


 2022.1.8 すなさと

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